オートミール市場、食シーンの広がりに期待、「新たな主食」としての普及がカギ

山田 陽美
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オートミールの金額PIおよび金額PI対前年推移

ごはんのような食感のオートミールごはんが続々

 KSP-POSデータによるとオートミールの期間通算(2022年8月~23年7月)の金額PIは348円で対前年同期比24.5%減。前年に急成長した反動ですべての月で2ケタ減となった。ダイエットや健康面から食べ始めたものの、味や食感の面で長続きせず、離脱する人が増えたことが前年割れの一因となっている。

 そこで、オートミールをごはんのようにおいしく食べられる商品が各社から次々に発売されている。

 日本食品製造では今年4月に「新しい主食全粒オートミールごはん」を発売。2種類の形状のオートミールを黄金比で混合することで、ごはんのような食感に仕上げた。日本ケロッグも電子レンジで温めるだけの「粒感しっかりオートミールごはん」を発売した。

 今年9月には、はくばくから「オートミールごはん」が発売された。しっかり粒感があり、電子レンジで1分半加熱するだけで食べられる商品だ。日清シスコでは、シリアル加工技術を活用し、米つぶ形に加工した、まるでごはんのようなもちもちした食感の「おいしいオートミール新ごはん」を新発売。従来のようなリゾットはもちろん、おにぎりや炒飯などにもアレンジできる。

 オートミールはごはんよりも低糖質で低カロリーなので、ごはんの代わりの主食として提案することで、朝食だけでなく、昼食や夕食と、食シーン拡大につながる。また、オートミールが続かなかった人や初めての人も米化したオートミールなら食べやすく、継続しやすい。オートミールの認知率は高いものの、喫食経験率は3割程度にとどまっており、さらなる成長が期待されている。今後のオートミール市場は、新たな主食としての普及がポイントとなりそうだ。

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