即席麺市場、アレンジしやすくコスパも高い袋麺の価値が改めて認識された1年

山田 陽美
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コロナ禍の巣ごもり生活により、袋麺を中心に需要が高まった。その反動で今年の前半は前年割れとなっているが、袋麺の価値が再認識され、その後も堅調に推移している。最需要期の秋冬に向けて、各社では主力商品に注力している。

袋麺はコロナ特需の反動で2月~5月は前年割れ

 KSP-POSデータの袋麺の期間通算(2020年10月~21年9月)の金額PIは、7106円で対前年比1.1%増となった。20年は新型コロナウイルス感染拡大に伴う巣ごもり生活により、家庭にストックしやすく調理の簡便性が高い袋麺の価値があらためて見直され、3月から5月は大きく伸長した。手軽にアレンジしやすく、コスパも高い袋麺は休校中の子供や在宅勤務時のランチなどに活用された。コロナ特需の反動で21年2月から5月は前年割れとなったが、19年比でみれば堅調な推移といえそう。各社では秋冬の需要期に向けて主力ブランドに注力している。

即席麺のイメージ
最需要期の秋冬に向けて、各社では主力商品に注力している。 i-stock/wattanaphob

 東洋水産の「マルちゃん正麺」が今年で発売10周年を迎えた記念として期間限定の新味を発売し、キャンペーンなどを行い、話題化を図っている。また、明星食品では、超極太麺と濃厚なスープの「明星 麺神」を昨年9月に関東甲信越地区で先行発売し、今年3月から全国に発売エリアを拡大した。11月には新フレーバーを投入している。

 日清食品では若年ファミリー層に向けて、濃いスープが特長の「日清これ絶対うまいやつ」を昨年発売。人気芸人のチョコレートプラネットを起用したテレビCMが話題となり、好調な売れ行きだ。袋麺市場は5食パックが8割を占めているが、同商品は3食パックで展開。世帯人数の減少などで5食パックでは多いという人に向けた新しい提案となっている。

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