21年政策は「食事のデスティネーションストア化」業績回復をはかるミニストップ新施策の全貌
付加価値を高めた弁当「やみつキッチン」
具体的な商品政策については以下の通りだ。
まず、弁当類の改革として「やみつキッチン」シリーズを展開する。ミニストップ史上最大級の総重量600gの「ずっしり極!タルタルチキン南蛮弁当」、6mmの厚みのあるチャーシューを贅沢に使用した「チャーシュー弁当」(いずれも555円:以下すべて本体価格)などの発売を3月に予定。いずれも、ボリュームや食べ応えなどの付加価値を付与した商品になっている。先駆けて2月23日に同シリーズとして発売された、山形・米沢の名物駅弁をイメージした「駅弁風 牛めし重」(555円)は人気を集め、既に再販が決定するなど順調な滑り出しだという。
また、同社取締役 商品本部長の仲澤光晴氏は「これらの弁当は、本来なら600円を超える価格帯の品質」だと話す。質、量などで付加価値を高めた「やみつキッチン」シリーズだが、価格が高くなりすぎてしまっては顧客に受け入れられない。そこで、「中間コストや製造原価を徹底的に見直すことで、555円という手に取りやすい価格を実現できた」と仲澤氏は胸を張る。
「やみつキッチン」シリーズは今後、調理パンやサラダ類、スイーツなどにも拡大していく計画だ。
コールドスイーツの強化で来店頻度向上をねらう
好調なコールドスイーツ類の強化にも注力する。根強い人気のあるミニストップの「ソフトクリーム」をトッピングとして生かした「デザートドリンク」で競合との差別化を図り、「タピオカに続くヒットカテゴリーに成長させる」と仲澤氏は意気込む。「飲めちゃうデザート」と銘打ち、4月に「飲むチョコバナナ」など2商品の発売を予定している。ミニストップがラインアップするコールドスイーツの中でも、持ち帰りやすさや食べやすさを訴求した商品になっており、購入シーンの拡大につなげたい意図だ。
また、ミニストップが展開するソフトクリーム専門店「MINI SOF(ミニソフ)」でのデザートドリンク販売や、逆にMINI SOF独自のコールドスイーツのミニストップでの販売なども検討中だという。
ほかの施策としては、コロナ禍で需要の増えたパスタなどの冷凍食品を目線の位置に配置したり、店内製造総菜の陳列を時間帯ごとの需要に合わせて変更したりするなど、売場づくりも工夫する。また、家飲み需要を捉えるため、冷蔵酒・常温酒問わず酒類のバリエーションの拡充なども実施。併せて店内調理の総菜をおつまみとして訴求し、夕方以降の集客に繋げたい考えだ。