ギフト化、個食化、ヘルシー化…コロナ禍でおせち商戦にも変化?

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新型コロナウイルスの影響が長期化するなか、年末年始の過ごし方も大きく変わりそうだ。緊急事態宣言下で見られたような、外出自粛を徹底する動きは落ち着いたとはいえ、海外旅行に出かけたり、家族を連れて実家に帰省したりする人の数は、例年に比べると減少することが予測される。そんななかで今年も「おせち商戦」が本格化し始めた。

年末年始も”巣ごもり”でおせちの需要増?

オイシックス・ラ・大地はおせち商戦で好スタートを切っている(写真はOisixの「和洋おせち重「輝き 極み」)
オイシックス・ラ・大地はおせち商戦で好スタートを切っている(写真はOisixの「和洋おせち重「輝き 極み」)

 食品宅配サービス大手のオイシックス・ラ・大地(東京都)が今年7月に、子供を持つ家庭を対象に実施したインターネット調査によると、「帰省や旅行などを自粛している」「予定が立てられない」という回答が84%に上った。同社はこうした傾向が年末年始の帰省シーズンにかけても続くと分析する。
 そうしたなか、小売各社にとって販売チャンスが広がりそうなのが「おせち」だ。自宅で年末年始をゆっくり過ごす人が増えるなか、おせちの需要は例年に増して高まる可能性があるためだ。9月に入り、食品小売や百貨店、食品EC各社が相次いでおせち商品の予約受付開始を発表。「コロナ禍のおせち商戦」が始まった。
 好スタートを切っているのが、前出のオイシックス・ラ・大地だ。同社は「Oisix」「らでぃっしゅぼーや」「大地を守る会」の3つのブランドでおせち商品を販売。このうちOisixでは定番商品のみ8月5日から先行販売を行っているが、これまで、昨年同期と比べて1.5倍の注文数で推移しているという。このことは、すでに多くの家庭が年末年始を帰省先や海外ではなく、自宅で過ごすことに決めている結果だと同社は見ている。

「自宅用」「実家用」に2種類注文 コロナ禍ならではの販売動向

 一方、コロナ禍で生活様式や消費行動が大きく変化しているなか、おせちに対するニーズもまた変わりつつあるようだ。
 たとえば、オイシックス・ラ・大地は、「自宅用」と「実家用」の2種類を購入するケースが例年に増して目立つことを明らかにしている。その背景には、「帰省できない代わりに家族や親戚におせちを贈りたい」というコロナ禍ならではのニーズが存在しているとみられる。
 また、感染防止の観点から、取り分ける必要のない個食商品も多く展開されている。たとえば百貨店大手の髙島屋(大阪府)は一人用のお重を3 客組で販売する「加賀 月うさぎの里『加賀兎郷』」(税別1万円)を展開。同じく百貨店の松屋(東京都)も同様の商品の発売を明らかにしている。
 さらに、コロナ禍でより高まっている健康志向に対応した商品も豊富だ。髙島屋は「ヴィーガンおせち」(同2万円)「ローカーボ低糖質おせち 和一段」(同9200円)などを展開。イオン(千葉県)も「低糖質おせち二段重」(同1万2000円)や「美食良菜 塩分・糖質に配慮おせち二客組」(同1万2500円)といった商品をラインアップに加えている。

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