ナチュラルローソンがリブランディング! 「店内調理サラダ」を新機軸にした理由
ローソン(東京都/竹増貞信社長)は7月7日、「ナチュラルローソン」をリブランディングすることを発表した。これまでの「女性の美・健康」というブランドポジショニングを再定義。性別関係なく求められている「ウェルビーイング」なライフスタイルを支えるブランドをめざす。

消費者の「ウェルビーイング」なライフスタイルを支える
「ナチュラルローソン」は、ローソンが25周年を迎えた際に行った社内公募で、「家族が健康になれるコンビニをつくりたい」という社員の提案があったことをきっかけに立ち上がったブランドだ。2001年7月11日に1号店「ナチュラルローソン自由が丘2丁目店」をオープンして以降、25年5月末時点で東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の1都3県に132店舗を展開している。
ナチュラルローソンは、立ち上げ当時から「『美と健康』への意識が高い、働く女性」をコアターゲットに掲げてきた。これに伴い商品面では、減塩やもち麦の使用で健康に配慮したおにぎりをはじめ、カフェインレスコーヒー、MCTオイルやスーパーフードを使用した商品などを導入。さらにSDGs(持続可能な開発目標)にも配慮し、大豆ミートの使用や紙製の弁当容器の導入などにも取り組んでいる。
こうした施策をナチュラルローソンが率先して展開することで、全国のローソン店舗への横展開もスムーズに進んでいるという。商品本部ナチュラルローソン商品部部長の中桐崇氏は「ナチュラルローソンがローソンの『ラボ』の役割を担っている」と表現する。
そんなナチュラルローソンが7日、リブランディングを発表した。このタイミングでリブランディングを図る理由について、中桐氏は「他社との同質化は前々から課題として上がっていた。ナチュラルローソンは来年で25周年を迎える。前年のこのタイミングでブランドを整え、あらためてポジショニングを確立していこうと考えた」と説明する。
今回のリブランディングで特筆すべきは、コアターゲットの刷新だ。先述のように、ナチュラルローソンではこれまで「『美と健康』への意識が高い、働く女性」をターゲットに据えていた。しかし、立ち上げから24年が経ち、社会環境は大きく変化している。今日、美や健康は男女問わず追求されるものとなり、ターゲットをジェンダーレスへと刷新した。
あわせて、「美と健康」というメッセージそのものも再定義する。これまでの「健康」は、適度な運動、十分な睡眠、必要な栄養の摂取など、「体の健康」に重きが置かれていた。しかし現代では、身体的な健康に加え、精神的・社会的にも良好な「ウェルビーイング」な状態が重要視されるようになってきた。
この「ウェルビーイング」を意識して生活を送っている人々を、ナチュラルローソンでは「幸福度が高い人」と設定。同社によれば、この「幸福度が高い人」は、自分の心身の健康を保つために、生活の中で自分の好みや感覚に合った商品を選択・購買する傾向があるという。今後はこの「幸福度が高い人」をコアターゲットに据え、そのライフスタイルのサポートとなるような商品・サービスを軸としていく方針だ。
この方針の下、ナチュラルローソンでは新たな商品開発基準となる「ナチュローのお約束」を定めた。前提として、オリジナル商品は500kcal以下、食塩相当量2.3g以下に統一。さらに添加物は種類によって使用しないものを定めるなど、独自の基準を設けた。そのほか、消費者のニーズをもとに「糖質コントロール」「プラントベースフード」など8つのテーマを設けた。
中桐氏は「ナチュラルローソンに行けば、自分に合った健康的な食事が選べる」という体制を整えていくとしている。







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