スイーツ専門店の味めざし、この夏セブン-イレブンが刷新した「3つの素材」とは

2022/07/22 05:54
    湯浅 大輝 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
    Pocket

    「3つの素材」を使用した商品を紹介!

     これら3つの素材を用いた洋菓子の新商品の一つに、「シュー・パティシエール」(173円、以下すべて税込)がある。①の乳脂肪分をアップさせたホイップクリームと発酵バターを加えることで、濃厚な味わいを届ける。この商品については、「価格、おいしさをふくめて、従来のシュークリームの延長線上の商品とは考えていない」(平田氏)そうで、専門店品質を追求する。製造工程においても、シュー生地を人の手で一枚一枚乗せて焼き上げるなど、手間がかかっても本格的な味を届けようとしている。

    新商品の「シュー・パティシエール」

    また、「イタリア栗のモンブラン」(346円)は、前述のホイップクリームを使用するほか、②のセブン-イレブン専用にブレンドした薄力粉を使用することで、ふんわりした食感を楽しめる商品になっている。

     さらに、和菓子の新商品として、③の北海道十勝産小豆「エリモショウズ」を使用した、「北海道十勝産小豆使用豆大福」(151円)と、①と③を使用した「ふわっとどら つぶあん&ホイップ」(227円)をローンチする。

     「エリモショウズ」は栽培が難しく、通常の十勝産小豆は4年に1回収穫できるが、同種は8年に1回と、時間がかかる。ただ、あんこに適した小豆であるという。製法にもこだわる。あずきをゆでる際に沸騰してからゆで汁を捨てる「渋切り」を従前までの2回から1回に変更した。これは、あんこの「うまみ」を捨ててしまわないようにする工夫だ。

    「エリモショウズ」を使用した「ふわっとどら」

    販促には声優を起用! コアなファン呼び込む

     原材料価格の高騰により、商品の値上がりも本格化しているが、「豆大福」と「つぶあん&ホイップ」、「モンブラン」については、従来販売していたものと同価格で売り出すという。輸入物の原価が高騰しているが、セブン-イレブンでは国産原材料の活用に力を入れていく方針で、平田氏も「相場高がつづくなか、国産の原料を使った商品は増やしていきたい」と話す。

     販促については、SNSで有名声優陣を起用したプロモーションを打つという。声優の登用は、すでに過去2回実施していて、「コアなファンが来店したというデータが取れている」(平田氏)そうだ。

     スイーツ商品の全面リニューアル、特に「素材」にこだわった商品のアップグレードに踏み切ったセブン-イレブン。平田氏も「スイーツでリピーターを獲得できれば、強力な来店動機となる。自信をもって“おいしい”と言える商品をリリースできるのが楽しみ」と意気込んだ。

    1 2

    記事執筆者

    湯浅 大輝 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

    1996年生まれ。シンガポール出身。同志社大学グローバル・コミュニケーション学部卒業後、経済メディアで記者職に就く。フリーライターを経て、2021年12月ダイヤモンド・リテイルメディアに入社。大学在学中に1年間のアメリカ・アリゾナ州立大学への留学を経験。好きな総菜はローストビーフ、趣味は練馬区を散歩すること。

    © 2024 by Diamond Retail Media

    興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
    DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

    ジャンル
    業態