ファミリーマート、ヒット商品連発を可能にする、ある仕組みと仕掛けとは

2022/04/13 05:55
    湯浅 大輝 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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    ヒットの背景に「ペルソナを細かく設定したマーケティング政策」

    「SPAMおむすび」や「クリスピーチキン」などのヒット商品が生まれた背景として、商品開発とモニタリング評価のプロセスを変更し、新たな仕組みを構築したことが挙げられる。特にマーケティングにおいて、「子持ちの30代女性」や「60歳以上の男性」など、ペルソナを細かく設定し、それぞれの顧客層ごとにマーケティング部門の人員を充てた。そのことでより深く顧客のニーズを掘り当てられるようになった。

    さらに、「ファミマアプリ」などの自社メディアやSNS、テレビなどのマスコミでの情報発信の強化も売上の伸長に貢献したという。「(情報発信は)これまでのファミリーマートにおいて弱かった部分。足立CMOの就任を機に、ペルソナごとにどの媒体で発信すればお客様に商品を知ってもらえるかを徹底的に分析した。結果として、情報発信力が大きく改善し『ファミマル』の認知度が向上。売上増加につながった」(塚本氏)

    幅広い層のお客に対応するのも、同社の新しいマーケティング政策のミッションの一つだ。
    これまでの同社のメーン顧客層は、20~50代の男性だったが、少子高齢化、女性の社会進出に伴い、今後はシニアと女性層への訴求を強化していく。「コンビニエンスウェア」や中食商品の拡充をすることで、これらの層に対応する考えだ。21年度は、結果として「30~50代の女性」の売上比率が0.6%、「60代以上」が同0.5%アップした。(20~50代男性は、21年度49.1%、20年度50.1%)

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    記事執筆者

    湯浅 大輝 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

    1996年生まれ。シンガポール出身。同志社大学グローバル・コミュニケーション学部卒業後、経済メディアで記者職に就く。フリーライターを経て、2021年12月ダイヤモンド・リテイルメディアに入社。大学在学中に1年間のアメリカ・アリゾナ州立大学への留学を経験。好きな総菜はローストビーフ、趣味は練馬区を散歩すること。

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