シニア女性に人気通販ハルメク リアル店舗好調、秘策はインナーの試着”?

北野 裕子(ダイヤモンド・チェーンストア編集部)
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シニア女性向けの定期購読誌「ハルメク」の発行や、カタログ通販などの事業を手がけるハルメク(東京都/宮澤孝夫社長)は10月23日、同社18店舗目のリアル店舗となる「ハルメク おみせ 松坂屋上野店」(東京都台東区)をオープンした。通販やECサイトを主とするハルメクは、リアル店舗ではどのような売場を展開しているのか。松坂屋上野店における取り組みをレポートする。

シニア女性の悩みに寄り添うオリジナル商品を展開

10月23日にオープンした「ハルメク おみせ 松坂屋上野店」

 「ハルメク おみせ 松坂屋上野店」は、JR「御徒町」駅より徒歩2分の「松坂屋上野店」内の2階にある。売場面積は約132㎡で、扱うのはアパレルやインナー、靴、化粧品など約150品目。ほかにも、お客の足にぴったり合った靴を購入できるように、足圧測定器も設置している。

 50代以上の女性が生き生きと過ごせるように、年齢によって変化していく心と体、暮らしの悩みをサポートする商品を提供することをめざしているハルメク。強みは、自社のシンクタンクを通じて雑誌の読者や会員らの声を徹底的に調査し、シニア女性のニーズを反映した商品を開発できるところだ。通販カタログやECサイトで販売する商品は約8割がオリジナル商品で、そのうちの売れ筋商品を松坂屋上野店では展開している。

ハルメクの新ブランド「ZÛ-BON by halmek(ズボンバイハルメク)」

 とくにアピールしているのは、9月に販売を開始したパンツの新ブランド「ZÛ-BON by halmek(ズボンバイハルメク)」だ。シニア女性は、お腹がぽっこりしてお尻が垂れるといった体形の悩みを抱えている傾向がある。ハルメクは会員ら100人以上の体形を調査し、試着会も何度も開催。会員らの意見を聞きながら、オリジナルのマチを入れてすらっとした体形に見せつつ、ウエストはゴム仕様にするなど着脱しやすいデザインのパンツを完成させた。ハルメクの松坂屋上野店では店頭に設置したデジタルサイネージでも商品を紹介している。

ハルメク松坂屋上野店のインナー売場。試着も可能となっている

 また、人気商品のインナーも15アイテムほど揃えた。通常、衛生商品であるインナーは試着できる商品が限られるが、ハルメクでは着心地を確認したうえで購入してもらうため、店頭での試着が可能だ。店舗事業部の勝谷進部長によると、「インナーは店舗における売上の牽引役」。他店舗では、インナーを1着購入したお客が翌日に再び来店し、インナーを数着買ったこともあるといい、高い支持を集めているという。看板商品の「ハルメク 健康サポート・骨盤底筋サポートショーツ」や、肌触りを重視してタグを外付けにしたタンクトップなど、いずれもこだわりの商品だ。

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