米政府、食肉価格の抑制策強化へ 大手4社の値上げを批判
[ワシントン 8日 ロイター] – バイデン米政権の高官は8日、ホワイトハウスのブログに投稿し、国内の食肉処理をほぼ独占している食肉加工大手4社による値上げが米国の食品価格上昇の主因になっているとの見解を示し、厳しい対策を取る方針を明らかにした。
国家経済会議(NEC)のディーズ委員長とファジリ、ラマムルティ両副委員長は、価格抑制策の一環として、小規模な食肉加工業者と従業員に新型コロナウイルス景気対策から14億ドルを振り向けると表明。「違法な価格協定を取り締まる」考えも示した。
大手4社は国際的な穀物商社カーギル、食肉販売で米国最大のタイソン・フーズ、ブラジルの食肉加工世界最大手JBS、ナショナル・ビーフ・パッキングで、農務省の最新データによると、4社合計で2018年の穀物飼料で飼育された家畜解体の約85%を占めた。
タイソン・フーズは食肉加工業界の再編統合が価格上昇につながっているとの政権側の主張を否定し、新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)と国内の労働者不足が生産の足かせになっていると説明。「タイソンは規模のメリットで効率的な経営が可能になっており、これが消費者のコストを抑えている」とした。
カーギル、JBS、ナショナル・ビーフはコメントしなかった。
北米食肉協会のマーク・ドップ最高執行責任者(COO)は「需給が相場にどのように影響するかという基礎的条件を無視して、扇動的な声明を出しても何の得もない」と政権側を批判した。
政権側は、牛肉、豚肉、鶏肉の価格上昇が、12月以降の一般消費者向け食品の価格上昇分の半分を占めたとの分析を示し、食肉加工大手は、コロナ景気対策で食肉需要が押し上げられたのを受け、過大な利益を得たと指摘した。
NECのラマムルティ氏はインタビューで「われわれは市場を維持するため支援してきた。これらの企業が態度を翻して値上げするのを目の当たりにするのはもどかしい」と述べた。