米ウォルマートは5月6日、遠隔診療サービスのMeMDを買収することで合意したと発表した。ウォルマートは2019年から簡易診療所「ウォルマート・ヘルス」を展開しており、今回の買収でヘルスケアサービスでもオンラインとオフラインを組み合わせたオムニチャネル化を進める。
ウォルマートのヘルス&ウェルネス担当のエグゼクティブ・バイス・プレジデント、シェリル・ペガス氏は、「遠隔診療サービスは、消費者の医療アクセス機会を大幅に広げ、(実店舗型の)ウォルマート・ヘルスを補完するものだ」とコメントしている。
MeMDは2010年に創業され、パソコンやスマートフォン、電話などを通じた24時間・年中無休の遠隔診療サービスを展開している。個人や法人など全米で数百万の会員が、一般的な病気やけが、精神疾患に関する遠隔診療サービスを利用している。買収手続きは6月中に完了する予定だ。
ウォルマートは国民皆保険制度がない米国において、透明性のある低価格な医療サービスを提供することを目的に、ウォルマート・ヘルスの開設を始めた。19年9月から同社の店舗に併設する形で開設を進めおり、21年1月期末時点でジョージア州とシカゴ地域で9カ所を運営している。
ウォルマート・ヘルスは、地元の医療機関との提携により運営されており、医師や歯科医、診療看護師(ナース・プラクティショナー)、医療技師などが常駐し、初期診療や臨床検査、レントゲン撮影、歯科治療、眼科治療などの医療サービスを提供する。