LINEやアップルも参入!脚光浴びる「ミニプログラム」とは?
スマホ活用の在り方を変える?
こうした利便性の高さから、ミニプログラムは新規顧客獲得ツールの大本命として注目されている。委託開発サービス企業「即速応用」の調査によると、19年末の時点で、ウィーチャットのミニプログラムの数は236万以上、アリペイは20万以上、バイドゥは15万以上となっている。
中国ではカフェだけでなく、飲食店のモバイルオーダー、フードデリバリー、さらには小売店の店舗起点のECサービス、映画館の予約など、これまでは個々に事前会員登録と決済方式の設定が必要だった生活関連サービスの多くが、ミニプログラムに対応している。なかには、自社アプリのアップデート頻度を落とし、ミニプログラムに軸足を移しているチェーンも見られるほどだ。
また、ミニプログラムの実態はウェブアプリであるため、開発費、開発期間ともにネイティブアプリ(個々にダウンロードして利用する一般的なアプリ)の半分以下といわれている。そのため、自社でアプリをリリースするほどの資金力、開発力がない小規模チェーン、個人商店などでもミニプログラムを活用する例が出てきている。
テンセントは19年のウィーチャットのミニプログラム全体の平均DAU(1日のアクティブユーザー数)は3億人を突破し、ミニプログラム経由の年間の流通総額(GMV)は8000億元(約12兆円)を突破したと発表している。飲食、小売では、もはやミニプログラムに対応をせざるを得ない状況になっているのだ。
前述のとおり、日本でもLINEやアップルがミニプログラムのリリースに着手しているが、とくに注目されるのはアップルのApp Clipsだ。今秋公開される「iOS14」から搭載される予定で、アップルが始めるということは、App Clipsがワールドワイドに展開されることを意味する。今秋以降、モバイルオーダーやフードデリバリー、店舗起点のECといったサービスが、世界中で当たり前のことになる可能性がある。小売業によるスマホ活用の在り方は、大きな変革期を迎えようとしているのだ。
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