米小売業界、対中追加関税に反発 価格上昇や雇用への打撃を警告
[ワシントン 1日 ロイター] – トランプ米大統領が3000億ドル相当の中国製品に対する10%の制裁関税を9月1日に発動すると表明したことを受け、米主要小売業界団体は1日、関税発動は個人消費を冷え込ませるうえ、価格上昇や雇用への打撃につながるとして強く反発した。
ウォルマートやアマゾン・ドット・コムが加盟する全米小売業協会(NRF)は、トランプ政権による新たな関税発動の決定を誤った戦略だと批判。「すでに米経済の減速を招くとともに不透明感を生み、投資意欲を減退させている誤った戦略を政権が強化しているのは遺憾だ」と表明した。
ターゲットやホーム・デポなどが加盟する小売業リーダーズ協会(RILA)も、関税によって衣料品や玩具、家庭用品、電子機器など日用品の価格が上昇し、家計が圧迫されると指摘。貿易戦争で米国の家庭を人質にすべきではないと訴えた。
米通商代表部(USTR)はこうした反発についてコメントを出していない。
フットウエア流通小売業協会(FDRA)などの業界団体は、関税発動が雇用の冷え込みにつながる恐れがあると警告した。
また、米アパレル・フットウエア協会(AAFA)の幹部、スティーブン・ラマー氏はロイターに対し、トランプ大統領は関税を交渉の道具に使っているが、中国製品に関してはこれまで警告したことを実行に移してきたと指摘した。その上で「9月1日に関税が発動されると想定すべきだと(加盟企業に)通知している」と語った。