30分以内!食品の短時間宅配が普及するなか、米コンビニがとった対抗策とは?
質の高い商品と各種サービスが充実している日本のコンビニエンスストア。筆者は一時帰国するたび、米国のコンビニは遅れていると感じていた。しかし、コロナ禍を経て米国のコンビニもいよいよ変化を迫られるフェーズに入ってきた。その背景と、各社の取り組みをレポートする。
進まぬデジタル化 EC比率は1~2%
米コンビニ業界は今まで、利便性の高い立地とガソリンスタンド併設による集客力に依存し、革新に欠いていた。店舗数を増やせば成長できるという時代もあったが、全米コンビニエンスストア協会とニールセンの調査(図表❶)によると、2017年をピークに総店舗数は減少傾向にあり、20年12月末時点の店舗数は15万274店、対前年比1.6%減で、とくにガソリンスタンドを併設しない個人経営店では同3.1%減と減少が目立つ。20年に閉店・廃業したのは2446店で、そのうち1986店がガソリンスタンド非併設店だった。
売上高(図表❷)も近年減少傾向にある。直近では売上の70%近くを占めていたガソリン販売価格の下落が影響し、さらに昨年はコロナ禍でクルマでの移動が減ったことも痛手となった。しかし物販のみを見ると2~3%増で推移しており、店舗数が減少するなかで健闘している。ただし米コンビニ業界はEC化が遅れており、小売業界全体のEC売上比率が10.7%(19年/出典:米商務省E-STATS)となっているなか、コンビニ業界は1~2%にすぎない。24年にようやく8~10%という推計である。
オンデマンドデリバリーが“コンビニ的品揃え”に
そもそも