4年ぶりとなるエルニーニョ現象が目前に——今夏・秋・冬、小売店が気をつけるべきことは?
気象庁の発表によると、エルニーニョ現象が今夏までに発生する可能性は80%。もし発生すれば、2019年春以来4年ぶりになります。他方で21年秋から今年はじめにかけて発生していたラニーニャ現象の影響は今年7月まで残るとみられ、今から冬にかけての天候不順は十分に想定されます。ここで改めてエルニーニョ現象時の典型的な気候変化の特徴を整理するとともに、小売店が講じるべき対策について指摘していきます。
エルニーニョ現象発生時の、季節別天候の特徴
気象庁の集計によると、エルニーニョ現象が発生した際の天候の特徴(季節別)は以下のとおりです。
表1 季節別地方別、エルニーニョ現象時の気温・降水量の特徴
北日本 | 東日本 | 西日本 | 沖縄・奄美 | ||
---|---|---|---|---|---|
春 | 気温 | 並 | 高いか並 | 並か高い | 高い |
降水量 | 並 | 少ない | 多い | ― | |
夏 | 気温 | 低いか並 | 低い | 低い | 低い |
降水量 | 多いか少ない | ― | 並 | 並 | |
秋 | 気温 | 並か低い | 並か低い | 低い | 低い |
降水量 | ― | 少ない | ― | ― | |
冬 | 気温 | 並 | 高い | 高い | 高い |
降水量 | 少ない | 多い | 多い | 多い |
※太字+下線は、統計的に有意であることを示す
すべての地方、すべての季節において指向性が見られるわけではありません。同じ季節であっても地方によって傾向が異なる場合もあります。この表から読み取れる傾向を基に、今後のマーチャンダイジング(MD)のポイントを以下に解説します
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