4年ぶりとなるエルニーニョ現象が目前に——今夏・秋・冬、小売店が気をつけるべきことは?

常盤 勝美 (True Data流通気象コンサルタント)
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気象庁の発表によると、エルニーニョ現象が今夏までに発生する可能性は80%。もし発生すれば、2019年春以来4年ぶりになります。他方で21年秋から今年はじめにかけて発生していたラニーニャ現象の影響は今年7月まで残るとみられ、今から冬にかけての天候不順は十分に想定されます。ここで改めてエルニーニョ現象時の典型的な気候変化の特徴を整理するとともに、小売店が講じるべき対策について指摘していきます。

Daria Nipot/iStock

エルニーニョ現象発生時の、季節別天候の特徴

 気象庁の集計によると、エルニーニョ現象が発生した際の天候の特徴(季節別)は以下のとおりです。

表1 季節別地方別、エルニーニョ現象時の気温・降水量の特徴

  北日本 東日本 西日本 沖縄・奄美
気温 高いか並 並か高い 高い
降水量 少ない 多い
気温 低いか並 低い 低い 低い
降水量 多いか少ない
気温 並か低い 並か低い 低い 低い
降水量 少ない
気温 高い 高い 高い
降水量 少ない 多い 多い 多い

※太字+下線は、統計的に有意であることを示す

 すべての地方、すべての季節において指向性が見られるわけではありません。同じ季節であっても地方によって傾向が異なる場合もあります。この表から読み取れる傾向を基に、今後のマーチャンダイジング(MD)のポイントを以下に解説します

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記事執筆者

常盤 勝美 / True Data 流通気象コンサルタント

株式会社True Data 流通気象コンサルタント  神奈川県小田原市生まれ。

大学で気候学、気象学を専攻した後、20年以上にわたり民間気象情報会社にて、コンビエンスストア、スーパーマーケット、食品メーカーなどに対してウェザーマーチャンダイジングの指導などを行う。現在は株式会社True Dataに所属し、流通気象サービスを推進している。著書に「だからアイスは25℃を超えるとよく売れる」(商業界)など

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