天気予報「大気の状態が不安定な日」に店長が見るべきチェックリスト
天気予報の解説に「大気の状態が不安定」という表現があります。ある特別な事情が起こっていることを意味しますが、その予報が出たときに店舗ではどのような対処を行う必要があるのか、チェックリストにしてまとめます。こちらは集中豪雨や台風が発生した際にも応用できますので、保存版として活用ください。
そもそも「大気の状態が不安定」とは?
空気や水は、周囲より暖かければ上に、冷たければ下に行く性質があります。この状態が維持されれば対流(上昇気流・下降気流)は起こりません。しかし地球上の大気のうち、我々が住む地表面に近い部分は、地面に近いほど温度が高く、上空ほど温度が低くなっています。
そのため、対流圏といわれる地上から上空10km付近までの領域は、常に対流が起こっており、それによって雲が発生したり、雨や雪が降ったりしています。上空に行くにしたがって気温が下がる割合は、中学校の理科で習ったように1000mあたり平均6℃です。大体このくらいの割合が、「大気の安定した状態」といいます。
ところが、強い寒気の南下により上空の温度が通常より大幅に下がった場合や、強い南風や日射などの影響で地上の温度が通常より大幅に上がった場合は、高度による気温低下の割合がより大きくなります。そして、地上付近と上空の温度差を解消しようと、より活発な対流が起こります。
これが「大気の不安定な状態」です。より活発な対流が起こると、強いにわか雨や雷雨、突風、降雹(こうひょう)などの現象が起こりやすくなります。そして時に、これらのシビアな気象現象は我々の生活に大きな影響を与えることがあるのです。
「大気の状態が不安定」な状況は、1年をとおして起こり得ますが、とくに初夏の5月頃や、盛夏期の8月頃に頻度が高くなります。なお、北日本の日本海側では真冬も頻度が高いので注意が必要です。以下、大気の不安定な状態がもたらす気象現象ごとに対処すべき項目を箇条書きでまとめます。
「大気の状態が不安定」で想定される店舗への影響
にわか雨、短時間強雨
・外出を控える人が増えることによる客足動向の急変
・徒歩・自転車で来店するお客様の減少
・道路冠水、店舗への浸水
・周辺でのがけ崩れ、土砂崩れ発生による交通遮断
落雷
・停電に起因する以下のような現象の発生
*店内の無照明状態
*コンピュータの予期せぬ停止あるいは再起動
*機器の不作動(冷蔵ケース、レジ、自動ドア、空調、セキュリティシステムなど)
*公共交通機関のダイヤ乱れ
・人的被害(感電)
突風
・飛来物による店舗破損
・出入口付近の汚れ、土埃・ゴミなどの店内への入り込み
・店内陳列商品の落下
・公共交通機関のダイヤ乱れ
・人的被害(転倒)
降雹(こうひょう)
・店舗破損(窓ガラス・ドアガラスなど)
・車のへこみ
・産地での、農作物へのダメージ
・人的被害(負傷)
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