苦境のTポイントに急成長のPayPayポイント……共通ポイントサービスの現在地
存在感増すPontaポイントとdポイント
三菱商事やローソン(東京都)、KDDIなどが共同出資するロイヤリティマーケティング(東京都)の提供する「Pontaポイント」も有力ポイントの1つ。2022年11月末の会員数は1億1000万人超で、提携店舗数は26万店舗に上る。
ローソンを中心軸とした共通ポイントであるPontaポイントだが、直近では阪神阪急百貨店(大阪府)やイズミヤ(大阪府)などを運営するエイチ・ツー・オー リテイリング(大阪府)と2022年11月よりデータマーケティングで協業することを発表している。
NTTドコモ(東京都)が提供する「dポイント」も近年その存在感を大きくしている。ドコモユーザーで携帯電話の通信料金の支払いでポイントが貯まるという利便性もあって、ユーザーが深く定着しているのを強みとするdポイント。成長を続けるフリマアプリ「メルカリ」との連携を皮切りに、実店舗の加盟店拡大のみならず今後はECでの連携拡大も視野に動いている。
PayPayポイントも急拡大中!
これらポイント大手4社に加え、昨今勢いを増しているのが「PayPayポイント」である。ソフトバンクグループとZホールディングス(東京都)が要するスマホ決済の「PayPay」は、2018年のサービス開始時から「100億円あげちゃうキャンペーン」をはじめとした大規模なポイント還元キャンペーンを展開し、利用者および知名度を高めてきた。
2020年7月からは、自治体とPayPay(東京都)が対象店舗として指定する加盟店で「PayPay」を利用すると20~30%のPayPayポイントを付与する「あなたのまちを応援プロジェクト」を全国自治体と発足。同プロジェクトは2023年1月以降も継続される予定で、すでに416の自治体でキャンペーンの実施が決定。2回目以降のキャンペーン実施を決めた自治体は222、全国46都道府県(2022年11月30日時点)、374万カ所超(2022年6月時点)となり、地方経済の活性化と基盤構築を着実に進めている。
直近では、ヤフー、LINE(東京都)、PayPayの3社で、ポイントマイレージ型の販促プラットフォーム「LINE・Yahoo! JAPAN・PayPay マイレージ」を2023年3月に開始している。サービスの概要はこちらで解説しているが、商品の購入に応じてPayPayポイントが還元されることになるため、さらなるサービス拡大が期待される。
キャッシュレスの加速と生活様式の変化、巣ごもりからの消費回復によって実店舗とオンラインのシームレスなつながりは今後いっそう進んでいく。そうしたなかで、利用者に「お得感」を訴求する手段として、共通ポイントが果たす役割は大きい。