イオンが発表した2021年2月期の連結業績は、売上高に当たる営業収益が前期比ほぼ横ばいの8兆6039億円、営業利益は30.1%減の1505億円、最終損益は710億円の赤字(前期は268億円の黒字)だった。
新型コロナウイルスの感染拡大による巣ごもり需要で、食品の売り上げが好調に推移したことから、営業収益は20年12月に発表した会社予想を1039億円上回った。また、経費削減が進んだこともあり、営業利益も1200億〜1500億円としていた予想から上振れした。だが、感染症対応による損失や一部固定資産の減損損失を計上したことで最終損益は赤字となった。
事業セグメント別では、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスなどSM(食品スーパー)事業の営業利益が約2.4倍の506億円、ドラッグストアのウエルシアホールディングスなどヘルス&ウエルネス事業の営業利益が16.6%増の415億円と好調だった一方、イオンリテールを中心とするGMS(総合スーパー)事業は156億円の営業赤字(前期は72億円の黒字)、サービス・専門店事業も176億円の営業赤字(同45億円の黒字)となった。
また、イオンフィナンシャルサービスなど総合金融事業の営業利益は39.5%減の426億円、イオンモールが中心のディベロッパー事業の営業利益が43.5%減の357億円と、稼ぎ頭の2事業が苦戦した。
22年2月期の業績については、コロナ前の20年2月期の水準に回復する見通し。営業収益は前期比0.2%増の8兆6200億円、営業利益は32.8〜46.1%増の2000億〜2200億円、最終損益は200億〜300億円の黒字を見込む。