コロナ禍の需要急増を出荷キャパ拡大で乗り切ったオイシックス、21年度上期大幅増収増益 通期の新たな取り組みは?
下期の戦略は子供向けミールキット開始、とくし丸も拡大目指す
下期から新しく始動するプロジェクトには、ウォルト・ディズニー社とのライセンス契約による「Table for Tomorrow」プロジェクトがある。ディズニーの持つ、子どもとその親への圧倒的な訴求力とオイシックスの安全性の高い食材を組み合わせ、子ども向けミールキットなどを販売する。第1弾として、ディズニーの人気キャラクターであるミッキーとミニーをかたどった豆腐チキンバーグに、野菜を使ったソースを合わせた「ミッキー&ミニー 野菜たっぷりハンバーグ」のミールキットを11月12日から販売する。「食育、偏食の問題など、子どもたちの食にまつわる問題を無理なく解決したい」と高島宏平社長は話した。
また、子会社が運営している移動スーパー「とくし丸」事業も拡大をめざす。コロナによって移動販売のニーズが拡大し、流通総額は対前年比155.0%となったが、「(とくし丸事業は)黒字だが、もともと大きな収益を生んでいるわけではない。80~90代のいわゆる買物難民と呼ばれる方々のインフラとなることが重要」と高島社長。現在614台が稼働しているが、今後2~3年で1000台をめざす。
上期の好業績を受け、オイシックスは通期業績予想を上方修正した。売上高を当初予想の780億円から900億円へ、営業利益予想を30億円から50億円へ引き上げた。下期、コロナによる追い風は弱まる予想だが、上期新たに獲得した会員分の売上が継続的に上積みされることから上方修正に踏み切った。通期での進捗率はすでに、売上高が53%、営業利益が80%となっている。
「オイシックスのミールキットは、我々が思うほどまだ知られていない。これからも顧客ニーズに耳を傾け、それに応えることに一生懸命取り組んでいきたい」と高島社長は語った。