コロナ禍の需要急増を出荷キャパ拡大で乗り切ったオイシックス、21年度上期大幅増収増益 通期の新たな取り組みは?

若狭 靖代(ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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上期は変化するニーズへの対応と出荷体制の改善に注力

 上期はコロナによって変化するニーズに応えるため、さまざまな新施策を実施した。オイシックスでは、自宅での食事機会増加に伴ってミールキットの販売数が前年同期の830万食から1167万食に大きく伸長した。ミールキットのラインアップの増強のため、「モスバーガー」や「大戸屋」などの外食チェーンとコラボレーション。モスバーガーのミートソースを使った「ボロネーゼ」、大戸屋の人気メニューの1つ「鶏と野菜の黒酢あん」のキットはどちらも即日完売する人気を見せた。また、営業自粛を余儀なくされた外食チェーンの料理を、簡単な調理で店の味が再現できるキットにして自宅へ届ける「おうちレストラン」を開始、顧客・外食チェーン双方から好感触を得た。23店舗43アイテムを取り扱い、なかでも人気もつ鍋店「やまや」のもつ鍋キットは累計で4000セットを販売した。

 また、1Qで課題となっていた出荷キャパシティの改善にも取り組んだ。もともと、オイシックスブランドの商品については、神奈川県海老名市にある配送拠点ですべての出荷を行っていたが、コロナの影響によってキャパシティが超過。4月以降急遽、神奈川県藤沢市、座間市、埼玉県狭山市にも拠点を増設し、現時点の出荷キャパシティは前期末比で50%増となった。来年の10月を目途に海老名の配送拠点を刷新し、以降再び海老名に出荷を集約していく方針だ。

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