米大手百貨店のメイシーズのEC(インターネット通販)事業が伸びている。同事業の売上高は、2020年1月期で会社全体の4分の1を占めた。同社は先ごろ発表した3ヵ年の中期経営計画で125店舗の閉鎖と約2000人の人員削減を明らかにするなど、店舗販売は低迷しているが、ECが成長をけん引する中核事業に育ってきた。
スマートフォンなどモバイル端末経由でのEC売上高が55%増と急増した。モバイル売上高のうち、メーシーズのオリジナルアプリを利用した売り上げが20%を占めた。
EC売上高のうち、注文した商品をメーシーズの店舗で受け取るBOPIS(バイ・オンライン・ピックアップ・イン・ストア)が62%増となっている。BOPISは宅配コストがかからないことから、EC事業の採算改善に貢献している。
また、メーシーズのECサイトで受注した商品をメーカーから購入者に直接送る「ベンダーダイレクト」の売り上げも60%近く伸び、EC売上高の13%強を占めた。19年には1000社以上がベンダーダイレクトに新たに参画した。
同社の20年1月期の売上高は前期比1.5%減の245億ドル(約2兆7000億円)、営業利益は44.2%減の9億7000万ドル、純利益は48.6%減の5億6400万ドルだった。既存店売上高(ライセンスストアを除く)は0.8%減、期末店舗数は前期末に比べて30店舗純減の776店舗となった。