惣菜市場は23年度に10兆円突破の予測、ドラッグストアでの販売額は3.5倍に
矢野経済研究所の予測によれば、国内の惣菜(中食)市場は2023年度に10兆円を突破しそうだ。女性の社会進出や単身・共働き世帯の増加により、惣菜の市場規模は拡大が続いているが、今後はドラッグストアによる惣菜販売の増加や消費税の軽減税率適用による持ち帰り需要の増加なども見込まれ、拡大基調が続きそうだ。
同研究所の調べでは、18年度の惣菜市場規模は小売金額ベースで前年度比1.9%増の8兆9793億円だった。これが23年度には、18年度比で11.4%増の10兆53億円に拡大するものと見込まれる。
近年は、「ゲンキー」を展開するGenky DrugStoresに代表されるように麺類やサラダ、米飯などの惣菜を取り扱うドラッグストアが増えており、こうした傾向が今後も続くものと見られる。ドラッグストアにおける惣菜販売の合計金額は18年度で367億円と推計されるが、23年度には約3.5倍の1277億円に拡大しそうだ。
また、惣菜専門店がフードコートへの出店やカフェ・居酒屋との複合業態など多様な店舗開発を活発化していくことが予想され、さらにはIT化による受注処理やEC(インターネット通販)の実施などにより惣菜購入の利便性が高まり、これが需要を押し上げる可能性がある。
なお、19年度の惣菜市場規模は前年度比2.6%増の9兆1910億円と、初めて9兆円を超える見通しだ。