廃食油を航空燃料に! セブン-イレブンなど7社がサプライチェーン構築で連携
セブン–イレブン・ジャパン(東京都/永松文彦社長)やイトーヨーカ堂(東京都/山本哲也社長)など7社は1月15日、家庭で発生する廃食用油を活用し、SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)の供給をめざすプロジェクトで連携することを発表した。自治体や企業、そして地域住民が一体となって廃食油の航空燃料としての活用をめざすという、国内初の試みだ。
2027年にSAFを成田空港へ供給
日本では年間約10万トンの家庭系廃食用油が発生しているが、再利用される割合は10~20%にとどまり、大半が廃棄されているという現状がある。この問題に着目し、セブン–イレブン・ジャパンやイトーヨーカ堂、三井不動産レジデンシャル、ENEOSなど7社が連携し、廃食用油を収集してSAFを製造するプロジェクトを立ち上げた。
SAFは、原料調達から消費に至るまでの過程で発生する温室効果ガスの排出量を、従来の燃料に比べて最大8割削減できると見込まれている航空燃料である。
廃食油回収からSAFの供給に至る流れは次のとおりだ。まず、千葉県内の「セブン–イレブン」「イトーヨーカドー」の5店舗と、三井不動産レジデンシャルの分譲マンション4棟に回収拠点を設置し、吉川油脂が回収する。集まった廃食油を原料に、ENEOSが27年以降に和歌山県で稼働予定のプラントでSAFを製造、そこから成田国際空港に供給し、実際に航空機の燃料として使用する。ENEOSのプラントが稼働するまでは、回収した廃食油はバイオディーゼル燃料として活用する計画だ。
なおこの取り組みは、千葉県が公募した「地域資源を活用したSAF導入促進事業」に採択されたもの。自治体と連携し、家庭系廃食用油を回収してSAF製造に向けたサプライチェーンの構築を図る実証実験は国内初となる。