決定!「第1回サステナブル・リテイリング表彰」 ローカルスーパーや生協の施策が受賞へ
アクシアルが「総合賞」
複数施策を継続的に発展
それでは、第1回の審査結果を発表しよう。今回は、①では「総合賞」としてリージョナル食品スーパーチェーンのアクシアル リテイリング(新潟県/原和彦社長)が、②では「グッドアクション賞」として生活協同組合のコープこうべ(兵庫県/岩山利久組合長理事)が、③では「地域コミュニティ活性化賞」として、徳島県で店舗展開するローカルスーパーのキョーエイ(徳島県/埴渕恒平社長)の施策が受賞した。
~受賞企業~
「総合賞」 アクシアル リテイリング
「地域コミュニティ活性化賞」 キョーエイ
「グッドアクション賞」 コープこうべ
(企業名のあいうえお順)
順に各施策を紹介していきたい。「総合賞」を受賞したアクシアル リテイリングは、今回、複数の施策が推薦されたとともに11の施策を自社で応募。それらの施策が多様な切り口で、かつ全体として従業員、取引先、地域を巻き込んだサステナビリティの実践につながっているとして、その総合的な取り組みが評価され「総合賞」に輝いた。
代表的な施策をいくつか紹介すると、同社は2000年、国内小売業に先駆けて環境マネジメントの国際認証規格「ISO14001」を取得している。同規格は取得して終わりではなく、毎年認証機関による審査があるなど、維持・継続に多くの手間を要するものだ。対して同社は、1980年代から「TQM(Total Quality Management:総合的品質管理)」活動を行っている企業として知られており、この継続的に改善活動を実行できる組織文化のもと、高い品質でのサステナビリティ活動の維持・継続を可能にしている。
それ以外にも、プライベートブランド商品の包装変更などによるプラスチック使用量の削減や、お客の健康促進のために、だしを効かせることで塩分使用料を減らした「だし香る」商品シリーズを開発し、複数カテゴリーへの波及、自前の物流ネットワークを活かし、温室効果ガス削減などを目的に、取引先工場の商品を配送帰りにピックアップする「引き取り物流」などを行っている。
選考委員の間では共通して同社の組織的な取り組みを評価する意見があがり、たとえば加藤孝治氏は「同時進行で、多方面かつ高水準の施策が実行できている。応募の際の提出資料からも、従業員、組織がサステナビリティを実行する意義を自覚し、積極的に取り組んでいる姿勢が伝わってくる」とコメントしている。