ローソン、三菱商事とKDDIが共同経営パートナーに 店舗にスマホ窓口…めざすコンビニ像とは
auショップで
ローソンPBの販売も
KDDIを共同経営パートナーに迎え、ローソンでは今後、どのようなシナジー効果を見据えているのか。
KDDIは携帯電話事業を中核に、銀行や保険、 旅行、デリバリーなどの事業のほか、「auスマートパスプレミアム」という約1300万人以上の会員数を誇る日本最大級のサブスクリプションサービスを展開している。
ローソンは全国約1万4600店のコンビニ店舗のほか、食品スーパーの成城石井事業や、チケット販売や映画館運営等のエンタテインメント事業、「ローソン銀行ATM」サービスなどを行う金融事業などを展開している。
これら両社の持つ資源をいかし、リアル、デジタル、グリーンの3つの領域において連携を検討していくという。なかでも注目のリアルとデジタル領域では下記のような取り組みを検討していくという。
【リアル領域】
ローソンの約1万4600の店舗と、KDDIの「au Style」「auショップ」などの約2200拠点も合わせて、両社で1万6800店のリアル店舗ネットワークを構築し、店舗の機能強化や店舗網のさらなる拡大により利便性の向上めざす。
たとえば、auショップにおけるローソンのプライベートブランド(PB)商品や「ローソン銀行 ATM」 といったサービスの取り扱い。ローソン店舗における、 KDDIの商品やサービスの取り扱い(通信関連商材や 銀行・保険 、ヘルスケア、モビリティサービスなど)のほか、リモート接客の導入などを検討しているという。
【デジタル領域】
KDDIの通信契約者約3100万人、 ローソンの1日の来店客数約1000万人など、両者が持つ顧客データや購買データを連携させることにより、国内最大級の顧客データ基盤を構築し、これを活用することで、ローソン利用者のロイヤリティ向上をめざす。
たとえば、ローソンの送客につながる特典や利便性を提供する、KDDIおよびローソンの利用者向けサービスの開発、KDDIの デジタルの知見や技術の提供によるローソンの店舗オペレーションの最適化などを検討していく。
記者会見では動画やスライドなどを交えて、未来のコンビニで実現をめざしたいサービスが紹介され、店舗で行うサービスの例として、スマホのサポート、オンラインでの服薬指導、家計の相談などの窓口の設置、ドローンを使った遠隔地配送サービスなどが挙げられていた。
「ローソントップは従来通り三菱商事側から」
Ponta事業をいっそう強化する
KDDIの髙橋誠社長は「竹増社長はビジョナリストであり、未来のコンビニの構想を伺ってわれわれも非常にワクワクしている。また、グローバルな成長をめざすという点では当社にとっても成長機会につながる」と述べている。
今回、KDDIは共同経営パートナーとなったものの「小売の分野の知見はない。小売の価値を発揮するために当社の技術を使っていただくという立ち位置だ。ローソンのトップは今までどおり三菱商事さん側から出すという形で理解いただければ」と述べている。
またKDDIは19年にローソンと資本業務提携を結んだ際に、旧共通ポイント「au WALLET ポイント」を、ローソンが導入する「Ponta(ポンタ)」に統合し、さらなる経済圏の拡大にともに取り組んできた。今回の提携を機に「やはりPontaは強化していきたい」(髙橋社長)と言及している。