持株会社体制に移行のヤオコー、新会社設立と同時に「文化堂」「クックマート」の買収を発表
10月1日、ヤオコーが持株会社体制に移行し、ブルーゾーンホールディングス(埼玉県)に商号変更した。新コーポレートサイト、新コーポレートロゴのお披露目と同時に、ビッグニュースが飛び込んできた。東京地盤の食品スーパー企業である文化堂(東京都)と、「クックマート」の屋号で店舗展開するデライトホールディングス(愛知県)の子会社化だ。

3社合算の売上高は約8300億円!ライフに次ぐ規模に
ブルーゾーンHDは10月16日付けで文化堂の全株式を取得して完全子会社化する。文化堂は東京都品川区に本部を置く食品スーパー企業で、東京都に14店舗、神奈川県に5店舗、合計19店舗を展開する。ブルーゾーンHDが同日公開したリリースによると、文化堂の2025年5月期の売上高は278億8200万円、営業利益は8億8400万円となっている。ヤオコーは2025年6月に東京23区内初出店となる「杉並桃井店」(東京都杉並区)を出店したばかり。品川区、江東区など東京都心の肥沃な商圏に店舗展開する文化堂をグループに加えることで、東京都内でのプレゼンスを一気に高める構えだ。
続いて10月31日には、デライトHDの発行済み株式70%を取得して連結子会社化する。同社は愛知県東部と静岡県西部、いわゆる東三河エリアで食品スーパー12店舗を展開するローカルチェーンだ。ブルーゾーンHDのリリースによると、2025年3月期の売上高は354億1100万円、営業利益は8億4100万円。ヤオコーは現在、埼玉県、千葉県、神奈川県、東京都、群馬県の1都4県に店舗展開しており、グループとして初めて、中部エリアの店舗網を手に入れることになる。
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ヤオコーの25年3月期の連結売上高は7364億円。26年3月期の通期業績予想では連結売上高7720億円を見込んでおり、3社を単純合算した売上高は8300億円超に達する。上場食品スーパー企業では、フジ(広島県:2025年2月期連結売上高8089億円)ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(東京都:同8112億円)を抜いて、ライフコーポレーション(大阪府:同8504億円)に次ぐ規模となる。
ヤオコーはこれまでも同業を買収しており、直近では2016年4月にディスカウントスーパーを展開するエイヴイ(神奈川県)を完全子会社化。2024年4月には資本業務提携関係にあった千葉ローカルのせんどうを連結子会社化している。今回の持株会社体制移行はさらなるM&Aの布石かと観測されていたが、体制移行早々に同業2社をグループに加えるかたちだ。
新体制では、新設の事業会社ヤオコーのほか、エイヴイ、せんどう、2021年2月設立のフーコット(埼玉県)、今回グループ入りした文化堂とデライトHDと、食品スーパー事業会社6社がぶらさがることになる(そのほか関連事業を手がける3社もグループ会社に名を連ねる)。新たに加わった2社をヤオコーはどうマネジメントしていくのかが注視される。
7月にはトライアルホールディングス(福岡県)が西友(東京都)買収を完了するなど、急速に動き始めた食品スーパーの再編劇。ヤオコーと同じく埼玉県を本拠とするマミーマートも、同じタイミングの10月1日に持株会社体制に移行し、マミーマートホールディングス(埼玉県)に商号変更している。今回のM&Aを受け、同じ商圏で激しく競合するマミーマートHDがどのような動きを見せるかにも注目だ。







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