第11回グローバルDIYサミット2025に見る HI最新トレンド

後藤 章夫(GHIN アジア事務所)、松岡 由希子 (フリーランスライター)
翻訳協力:グッデイ

2025年6月11~13日、「第11回グローバルDIYサミット2025」がポルトガルの首都リスボンで開催され、55カ国から1000人以上が一堂に会した。日本からは、カインズ(埼玉県)、DCM(東京都)、コメリ(新潟県)、グッデイ(福岡県)をはじめ、業界関係者47人が参加した。

テーマは新しい世界秩序

第11回グローバルDIYサミット2025
第11回グローバルDIYサミット2025はリスボンで開催された

 今回は、「新しい世界秩序:グローバルな未来に向けたDIYの再定義」をテーマに掲げ、世界的に広がる不確実性やマクロ経済・地政学上の変化がホームインプルーブメント(HI)業界に与える影響について議論するとともに、HI企業が成長の機会をうまく生かしながらこの激動の時代に適応するための多様なアイデアやツール、成功事例が共有された。

 サミット初日のストアツ第11回グローバルDIYサミット2025はリスボンで開催されたアーには、過去最多の約350人が参加。リスボン近郊の傑出した5店舗を視察し、ポルトガルの活気あるHI業界を現場で学ぶ貴重な機会となった。

 2日目からのセッションでは、HIチェーン大手の経営トップをはじめ、学者や専門家ら、17人が登壇し、世界のマクロ経済の見通しや消費者行動の変化から、組織変革、DX、AI、気候変動対策まで、幅広いトピックスが取り上げられた。

 本稿ではストアツアーの5店舗と、英B&Qグラハム・ベルCEOの基調講演、仏アデオ・グループ(Groupe Adeo、以下アデオ)のマーケットプレイス戦略、中南米HIの雄ソディマックのプライベートブランド(PB)戦略についてまとめた。

ポルトガルの注目HI店舗

❶プロ向け資材館を併設したルロイ・メルランの店舗

アデオグループの主力HIであるルロイ・メルラン
アデオグループの主力HIであるルロイ・メルラン

 アデオ傘下のルロイ・メルラン(Leroy Merlin)はポルトガルで67店舗を展開し、約45%のシェアを握るポルトガル最大のHIチェーンだ。今回視察した「シントラ店」(Leroy Merlin Sintra)は、店舗面積1万㎡のDIY顧客向け店舗と8000㎡のプロ顧客向け資材館で構成されている。2024年の店舗売上高は9100万ユーロ(約150億円)で、そのうちDIY顧客向け店舗の売上高が約77%を占める。

❷オブラマットで最大規模を誇るポルトガル1号店

アデオグループの倉庫型プロ業態のオブラマット
アデオグループの倉庫型プロ業態のオブラマット

 アデオ傘下のプロ業態オブラマット(OBRAMAT)のポルトガル1号店として25年4月に開業した「アルフラジデ店」は、オブラマットで最大規模の倉庫型店舗だ。9000㎡超の売場面積と約7000㎡の物流スペースを有し、建設資材や木材、工具など、9つの主力カテゴリーで計2万品目以上のナショナルブランド商品を取り扱う。初年度の売上高は6000万ユーロ(約100億円)を見込んでいる。

 

続きはダイヤモンド・ホームセンター誌でご覧いただけます。

記事執筆者

松岡 由希子 / フリーランスライター

米国MBA 取得後、スタートアップの支援や経営戦略の立案などの実務経験を経て、2008年、ジャーナリストに転身。食を取り巻く技術革新や次世代ビジネスの動向をグローバルな視点で追う。

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