有力小売から続々参加!生成AIに防犯、小売企業の垣根超え協調を実践する「チームK.O」とは
マイクロソフト社員による「効果的な」使い方も伝授
その後、勉強会は、生成AIを使って精度の高いアウトプットを得るために欠かせない指示書、命令書である「プロンプト」を、参加者がレクチャーを受けながら自分で作る実践編へ突入。作る上での注意点やノウハウが説明された。
とくに、「プロンプトは一発でうまくいくことはない」「ChatGPTと対話しながら、制約条件を詰めていくことでよりよいプロンプトになる」「ChatGPTは、プロンプトの後半部分に出てきた言葉を優先する」といった、実践的なプロンプトエンジニアリングのコツも共有された。
このほか勉強会では、日頃から業務でChatGPTを使いこなしている、日本マイクロソフト社員の効果的な使い方も伝授された。
実践編では仕上げとして、画像生成を行った。これまでプロに都度依頼していたものを自分たちで作成できるようになり、たとえば資料作成にかかる時間は飛躍的に減る。その効率性の高さを参加者が再認識した瞬間だった。
最後に行われたのが、グループごとに分かれてのディスカッションだ。自分たちの業務にどんなことが生かせそうか、どこに注意すべきか、誰もが生成AIを使う時代に人間はどんな業務をすべきなのかについて、活発な議論が展開された。
その結果、
「仕事はAIで楽になる。そのなかで、違和感を感じて、それに対処していくことが人間の仕事になる」
「AIが業務の大半を担うようになるなか、人間がどんな仕事をしていくかが課題になる。人間はゼロから何かを作ることをしていなければならないのでは?」
「現場に理解してもらえるAI活用が大事。AIと協働するための能力を突き詰めなければならない」
といった意見、気づきが各チームから出され、各人の視点が共有される貴重な機会となった。
最後にチームK.Oからは、以下のようなメッセージが出された。
「仕事、業界がどう変わるかを会社の垣根を超えて話せる場がつくるため、今回勉強会を企画した。次回会うときは、活動がさらに広がっていると思っている。一切資金はもらっておらず、みな持ち出しでボランティア精神だけでこのチームK.Oは回っている。小売業の課題をなんとかみんなで解決するのがチームK.Oの目的だ」と言い、チームK.Oへの参加を呼びかけ、業界を変えるために自発的に動き出すことの重要性を強調した。
2024年3月12日~15日まで開催するリテールテックジャパンでは、このチームK.Oがなんとブースを出展している。企業ではなく有志の集まりが出展するのはおそらくリテールテックジャパン史上初のことになるだろう。また、最終日の15日はチームK.O登壇によるセミナーも開催される。
チームK.Oは小売業界を変革するために本気なのだ。その本気度が、企業の垣根を超えた、共感と連帯の動きへとつながっている。