月次不振のセブン-イレブン 次の打ち手は「酒類の関連販売」と「立地・地域対応」強化
立地別に品揃えや
売場レイアウトを変える!
さらにセブン-イレブンは、立地別、地域別ニーズへの対応もいっそう推進する。これまで以上に細かいニーズに対応することで、売上増を図りたい考えだ。
同社はコロナ禍で消費者のコンビニを利用するシーンが大きく変わるなか、立地別によって店舗を「住宅型」「都市型」「郊外型」の3つに大きく分類。「住宅型」をベースとしつつ、「都市型」「郊外型」ではそれぞれの需要に応じて棚割りや品揃えを変更してきた。たとえばコーヒー飲料の売場では、「都市型」店舗ではチルドカップ商品を、「郊外型立地」ではボトル缶商品を広げるといったものだ。
さらに立地別に新しい売場レイアウトの導入も進める。
住宅型、郊外型立地には、家飲み需要に対応するべく酒類売場を拡充した「新レイアウト2020」を、都市型立地には、都市部の狭小店でも充実した品揃えを提供する「都市型狭小店舗」と呼ぶレイアウトを採用。21年8月時点で、順に約6900店、約1200店に導入済みだ。その結果、導入店では売上高が、順に1万8700円、1万4700円増加する効果が出ている。(19年度と20年度の差、導入店と未導入店での比較)
これを受けて同社は21年度末までに導入店を順に1万2000店、1500店まで広げる計画だ。
スーパーで売れている
低価格の頻度品も販売へ
地域別対応については、都市部よりも経済状況が悪化している地方や、価格競争が激化している地域において、低価格ニーズに対応できる商品を充実させる。
具体的には、セブン&アイ・ホールディングス(東京都)グループの食品スーパーで販売し、売上高上位にランクインする「セブンプレミアム」商品を導入する。たとえば、パウチサラダや加工肉、スパゲティ麺、大容量の焼酎やワイン、菓子といった、購入頻度が高い日常使いの商品群で、一部対象店舗で実験販売したところ着実に売れる成果が出た。すでに現在、北海道や東北、東海エリアの店舗に投入しているという。
青山氏は「品揃えに対して『コンビニとはこういうものだ』と前例にとらわれ過ぎていたことが大きな反省にある。新しい日常・価値観のなかで需要が見込めるようであれば、これまでコンビニで見られなかった品揃えや取り組みでも積極的に挑戦していきたい」と語っている。