月次不振のセブン-イレブン 次の打ち手は「酒類の関連販売」と「立地・地域対応」強化
デリカ開発の新たな軸は
「洋風おつまみ」「高付加価値」
こうした方針のもと、セブン-イレブンは下期、どのような商品を投入していくのか。
まずコンビニの主力商品である中食商品においては、「新たな品揃え」と「味・品質」を追求した商品の提供に力を注ぐ。
「新たな品揃え」については、21年度上期のカテゴリー別商品売上動向では、サラダや総菜などの「デリカ」のほか、牛乳や卵などの日配品、パン、冷凍食品、カット野菜などの「食卓応援」カテゴリーの商品などが好調だった。
このうち「デリカ」では、とくにカップに入った小容量総菜シリーズ「カップデリ」の支持が高いことを受けて、下期に新たな品揃えを加える。これまでは、「サラダ」「副菜」「おつまみ」を軸に商品開発を進めてきたが、ここに「洋風おつまみ」「高付加価値」を加える。
たとえば「洋風おつまみ」では、「魚介と野菜のアヒージョ」(298円:以下、税抜)、「ブロッコリーペペロンチーノサラダ」を、「高付加価値」では、「3種きのこと根菜のバルサミコ和え」「ローストビーフ根菜サラダ」といった、デパ地下総菜を意識したメニューを発売する。
こだわりの「パスタ」の提案で
酒類販売にもつなげる
コロナ禍で継続して取り組んできた「味・品質」の追求では、プライベートブランド「セブンプレミアム」の冷凍食品を強化する。
具体的には「レンジで旅するシリーズ~イタリア編~」と銘打ち、「ジェノベーゼ」「ゴルゴンゾーラ」「アラビアータ」(各298円)の冷凍パスタ3品目を12月13日週までに全国の店舗で販売。また、こだわりの冷凍パスタソースも発売予定で、「ボロネーゼ」「蟹トマトクリームソース」「ペスカトーレ」の3品目を、11月8日週から一部の店舗で先行販売する。
パスタを強化する理由の1つは、酒類との相性がよいメニューであるためだ。味・品質を追求したパスタメニューを提案し、ワインなどの関連購買につなげる。実際に「レンジで旅するシリーズ」の商品は、約130~140gと小容量で、かつ「麺よりも具材のほうが多いのでは?」と思うほどで、食事というよりワインのつまみに近い商品だ。
食感、量感にこだわる
低糖質パンを開発
健康志向への対応もこれまで以上に進める。セブン-イレブンではあまり開発が進んでいない領域として、健康に配慮したパンを挙げ、「糖質控えめ」シリーズを投入する。
一般的に低糖質のパンは、どうしても食感にパサつきがある傾向にある。こうしたなかセブン-イレブンは、「黄えんどう豆」という栄養成分が豊富でありながら低糖質な素材を小麦粉に混ぜ込むことで、しっとりと弾力のある食感の商品を開発していくという。11月15日週からは「シナモンロール」(118円)、「ハムチーズデニッシュ」(148円)の販売を開始している。