横浜と東京・大田区の2店舗でスタート!
10月20日、オーケー(神奈川県/二宮涼太郎社長)がネットスーパー「オーケーネットスーパー」を開始した。
同社は今年5月、公式ホームページ上に2021年3月期業績とともに、22年3月期で計画する成長施策を掲載。調剤薬局事業とネット宅配事業を開始することを発表した。調剤薬局事業についてはすでに8月1日、神奈川県横浜市にある「港北店」で調剤薬局をオープンしており、いよいよ今回ネット宅配事業もスタートしたかたちだ。
配送は、「みなとみらい店」(神奈川県横浜市)と「仲池上店」(東京都大田区)の2店舗を拠点に、その周辺エリアである神奈川県の横浜市西区全域・神奈川区一部・保土ヶ谷区一部と、東京都大田区と目黒区の一部で行う。配送自体は業務委託だ。
注文は、オーケーのネットスーパーのサイトにパソコンやスマートフォンからアクセスして行う。配送時間は、前日24時までの注文で、翌日12時以降の時間を指定できる。配送日は3日先まで選択可能だ。
食品のほか日用品も!
DgSの品揃えもカバー
利用対象者は、カード会員「オーケークラブ」の会員が対象だ。オーケークラブは、入会金・年会費は無料で(ただしカード発行費用税込200円)、現金払いで食品(酒類を除く)が本体価格から3%相当額割引になる。
ネットスーパーを利用するには、さらに会費として税込200円を支払って「ネットスーパー会員」となる必要がある。また、ネットスーパー利用の場合、決済方法はクレジットカードのみとなるため、前述の会員割引(3%相当額)は非適用となる。
取り扱いカテゴリーは、生鮮食品、総菜、ベーカリー、加工食品、和洋日配、冷凍食品、アイスクリーム、水・飲料、酒類といった、ふだんの食卓向けの商品全般のほか、日用品・雑貨、ベビー・介護用品、ペット用品、医薬品(第1類医薬品は除く、仲池上店では取り扱いなし)までと幅広い。全体アイテム数は非公表だが、充実した品揃えを提供している。
注目したいのが、その料金設定だ。最低注文金額は1万円(税抜)で、さらに配送料として注文金額の3%を徴収する(1万円なら300円)。配送料自体は比較的安いものの、5000円以下で注文を受け付け、さらに配送料無料にする食品宅配サービスも多いなかでは強気の価格である。一方で、ネットスーパーは人件費や配送料などが負担となりなかなか収益化できていないチェーンも多いことから堅実な価格設定とも言えよう。
熱烈なオーケーファンの生活必需品購入ツールに
この金額設定についてオーケーは「店頭での販売実績も考慮し、生活必需品はすべてオーケーでご購入いただける熱烈なオーケーファンのお客さまを想定して設定している」(同社広報)と回答している。
つまり食品だけでなく、非食品を含めてふだん使いの商品をまとめて購入してもらえるサービスになることをめざしていると考えられる。
実際、前述したようにオーケーネットスーパーでは食品以外に、ベビー・介護用品や医薬品(指定第1類を除く、仲池上店では取り扱いなし)も扱っているため、ドラッグストア(DgS)関連用品もある程度まとめて買物を済ませることができる。
そして何より利用を促しそうなのは、価格だ。「高品質・Everyday Low Price」を強みとするオーケーの商品を、基本的に店頭価格と同等の価格で購入できるのだ(全商品とも配送日ではなく、注文日の価格設定が適用される)。
また「更ににお買徳」という、オーケーがふだんより安く仕入れることができた商品をお買い得な価格で販売するコーナーを、ネットスーパー上でも展開し低価格を訴求している。
今回ネットスーパーを開始した店舗の1つ「みなとみらい店」は、駐車場が約550台、売場面積は約820坪の大型店で、店を訪れると平日であっても、買物カートをひき、カゴいっぱいに商品を積み込み、購入している人の姿を多くみかける。
このような“熱烈なオーケーファン”の人にとっては、店頭価格と同等の価格で買物ができ、最低注文金額1万円以上で配送してくれるこのネットスーパーは決して高額ではなく、利便性は高いと考えられそうだ。
このオーケーネットスーパーはまずは2店からスタートし、対象店舗を順次拡大していく方針だという。次なる展開エリアや拡大スピードなど、今後の動向に注目が集まる。