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ネットスーパー売上100億円が射程圏内に! ライフ2021年度上期決算まとめ

ライフコーポレーション(大阪府/岩崎高治社長:以下、ライフ)は10月7日、2022年2月期上期の決算説明会を開催した。緊急事態宣言の延長が繰り返された中、ライフの業績はどう推移したのか。

営業利益は前期実績を下回るも……

 ライフの2022年2月期上期連結業績は、営業収益が対前期比0.1%増の3870億円、営業利益が同9.8%減の152億円、経常利益が同10.0%減の156億円、四半期純利益が同7.9%減の107億円だった。

 記録的な好決算だった前期の反動減が懸念された22年2月期上期決算だったが、巣ごもり消費の勢いは衰えることなく、営業収益は前期から横ばいだった。利益面を見ると、食品を中心に各部門の粗利益率が改善したことにより、売上総利益、営業総利益はともに前期を上回ったものの、人件費をはじめとした販管費がかさんだ影響で(同2.8%増)、営業減益となっている。

 ただ、減益と言っても、ライフは期初発表の通期業績予想で、営業利益190億円、経常利益200億円、当期純利益125億円という目標を掲げている。つまり、上期だけで通期の利益目標の約8割を稼いでいることになる。

 既存店売上高は同1.8%減だった。客数が同1.8%増と伸長した一方で、客単価が同3.5%減(いずれも既存店ベース)となった影響で前期実績を下回った。ただ、これも21年2月期の既存店売上高が同8.5%増という“異常値”だった影響が大きく、全店売上高は前期から横ばいとなっている。

ネットスーパー売上高44億円!システム刷新も実施

力を入れるネットスーパーも好調だ。ネットスーパーの既存店売上高は同35%増と前期(41%増)と大きく伸長。自社運営とアマゾン上で展開するネットスーパーを合わせた合計のネットスーパー売上高は44億円。岩崎社長も「通期目標のネットスーパー売上高100億円が視野に入ってきた」と評価する。

 22年2月期上期はネットスーパーのシステム刷新を実施し、「御幣島店」(大阪府大阪市)、「東日暮里店」(東京都荒川区)で新システムによるネットスーパーを新たにスタート。今後も既存のネットスーパー対応店舗も順次新システムに切り替えていくとしている。また、アマゾンとの協業によるネットスーパーも対応エリアを拡大中で、21年9月末時点で、東京23区と4市、神奈川8市、埼玉1市、千葉13市、大阪府20市、京都3市、兵庫1市と首都圏・近畿圏の広範囲をカバーしている。

通期目標は据え置き、その理由は……

 おおむね好調だったライフの22年上期決算だが、通期業績計画については期初の数値を据え置くとしている。その理由について、岩崎社長は「コロナ禍の影響も見通せず、下期に何が起こるか不透明だ。そうした中で下期は将来への投資をすすめていくとともに、お客さま、従業員への還元を行っていくためだ」と説明する。

 この「将来への投資」では、ライフは22年2月期に当初計画から105億円増となる267億円を投資する計画だ。ライフはすでに上期に新規出店やセンター整備などに同社史上最大規模となる74億円を投じている。ここからさらに増額し、下期だけで190億円以上を投資することになる。増額の対象は主に改装投資で、下期は25店舗の大型改装を計画する。ライフによれば、上期に改装した店舗はいずれも改装前比で10%以上売上が伸長しているとのことで、これだけの規模の改装投資となれば、業績にも大きく寄与することになりそうだ。

 ライフにとって22年2月期は4カ年の「第六次中期経営計画」の最終年度となり、来期からは新しい中期経営計画がスタートする。岩崎社長は「見通せない状況が続く中で、まずは今の中期経営計画をやり遂げる」とし、新中計についてはコメントをしていないが、267億円という今期の巨額投資が布石となることは間違いなさそうだ。