セブン-イレブンも導入、コンビニの値引き販売を足踏みさせる過去の苦い経験
値引き販売を躊躇させる苦い経験
その一方で、あるフランチャイズオーナーは「そう簡単に役所の思うようにいくとは思えない」と話す。セブンは公取委の意向に従いつつも、値引きの「害悪」を加盟店に口が酸っぱくなるまで伝えていることに変わりはない。
思い出されるのは、苦い過去の経験だ。米国のフランチャイズ店では、商品が売れ残るとすぐに値引き販売をしてしまう。値引き販売をすると商品は廃棄にならず、フランチャイズオーナーの実入りも増える。ただ、これにより、「売れ残ったら同じようにまた値下げして売ればいいんだ」という考え方が広がっていく。その結果、米コンビニチェーンは泥沼の価格競争に突入し、疲弊していくことになった。
そんな轍を踏まないように、コンビニ経営では「値引き販売は害悪である」という教訓が貫かれている。多くの加盟店オーナーも、「値引き販売しても信頼を落とすだけで、ストアロイヤリティの向上につながらない。むしろ、ストアロイヤリティを落とすだけだ」ということを理解しているはずだ。
値引き販売の是非をめぐっては賛否が分かれるところだろう。商売を営む人にとって「儲け」は必要ではあるが、それが過剰になるのもよしとされない。適正な範囲で儲けてこそ、継続する商売といえるのではないだろうか。
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