イオンは欧州最大のスポーツECプラットフォームをどう戦略に組み込むのか?イオンシグナスポーツ、泊剛史社長に聞く

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ECからのスタート」がリアル店舗への対抗軸になる

 日本のスポーツ市場ではリアル店舗が圧倒的に強く、「とりわけスポーツバイク市場ではEC1割にも満たないのではないでしょうか」(泊氏)というのが実情だ。

「スポーツバイクの場合はメンテナンスなど、サービス面に対する消費者のニーズが高いので、そこを担保しないとECでは難しいと思っています」

 そのようなリアル優勢のスポーツ市場において、ECサイトの成否を決めるポイントとして、泊氏は「メディア力」を挙げる。

「スポーツバイクでは、実際に乗っているシーンやメンテナンス方法を消費者にイメージしてもらうためのコンテンツを、ECサイト上で配信しています。さらにそのコンテンツをInstagramにも投稿することで、InstagramからECへの送客がかなりできています」

 欧州最大のスポーツECであるシグナスポーツのUI/UXを使えることも、イオンシグナにとっては大きなアドバンテージとなる。そのリソースを活用して、独自のコンテンツをより充実させ、ECプラットフォームの魅力を高めていくことが、リアル店舗や他のECサイトへの対抗軸だ。

 前職のウォルマート・ジャパンではEC事業戦略にも携わっていた泊氏。日本のスポーツ市場では、ECから始めたほうが有利に働く可能性を示唆する。

「前職でも感じていたことですが、実は、リアル店舗が強いところはECが弱いという傾向があるんです。それはスポーツ市場でも同じで、リアル店舗が強いぶん、当社は後発ながら、ECからスタートしたアドバンテージを活かしていきたいと考えています」

 設立後1年が経過し、ビジネスの立ち上げフェーズから成長フェーズに移行したイオンシグナ。新たに指揮を執る泊氏のもと、シグナスポーツのリソースを活用した「商品力」と「メディア力」で、リアル店舗が主流のスポーツ市場を切り拓いていくかまえだ。

イオン・シグナ・スポーツ・ユナイテッドの泊剛社長。元高校球児でもある
イオン・シグナ・スポーツ・ユナイテッドの泊剛史社長。元甲子園球児でもある
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