イオンは欧州最大のスポーツECプラットフォームをどう戦略に組み込むのか?イオンシグナスポーツ、泊剛史社長に聞く
欧州最大のECサイトのリソースを活かした「商品力」で勝負
一方のスポーツバイク事業は、「Probikeshop(プロバイクショップ)」、そしてテニス事業は「Tennis-Point(テニスポイント)」というECサイトをそれぞれ運営している。いずれもスポーツシグナのECブランドを日本国内で展開しているものだ。
共通する強みとしては、独シグナスポーツ社のリソースを使って仕入れた国内未販売の商品を独占的に販売できる「商品力」が挙げられる。
スポーツバイク事業では、シグナスポーツ社のプライベートブランド(PB)「Serious(シリアス)」のバイクを、テニス事業ではラケットメーカー大手・ウィルソン社の「プラチナムシリーズ」を独占販売している。こういった日本では手に入らない限定モデルを購入できることが、他のリアル店舗やECにはないイオンシグナの提供価値を生んでいる。
「ドイツにはスポーツバイク、テニスともに日本に比べて市場規模が大きく、日本で販売されていない商品がまだまだ眠っているんです。もっと紹介していきたいですね」
その商品力が消費者にも徐々に認知され、2021年3月から6月にかけての3か月間で、スポーツバイク事業は145%、テニス事業にいたっては408%と売上が急伸した。今後の成長ポテンシャルを期待させる日本のスポーツ市場で、「価格でなく商品力で勝負するサイトにしていきたい」と泊氏は力を込める。
「競合のECサイトの中には、特にアパレルなどはかなり価格を下げているものも見受けられます。私たちとしては価格競争で勝負するのではなく、シグナスポーツと組むメリットを活かして限定モデルを増やしたり、サービスを付加することで消費者に新しい価値を提供するECサイトにしていきたいですね」