スギHD21年2月期決算詳報、売上高6000億円突破で4期連続の増収増益 来期も好調見込む
21年度も増収増益の見通し、重点施策は?
同社は、22年2月期(21年度)についても引き続き増収増益の見通しを示した。今後新型コロナウイルスのワクチン接種が広がり、経済活動や観光目的での訪日客が徐々に戻ってくるという楽観的な予想を織り込んだものだ。また、店舗数については純増100店舗をめざし、調剤併設型の120店舗を関東・中部などで新たに出店する一方、20店舗を閉鎖する計画を示した。
また、スギHDの杉浦克典社長は、今後の重点施策として15年に厚生労働省が示した「患者のための薬局ビジョン」への対応を挙げた。服薬情報の一元的・継続的把握や、24時間対応・在宅医療への対応を可能にする薬局の“かかりつけ”化をめざしたもので、25年には全ての薬局がその機能に応じて分類を受けることになる。かかりつけ機能に重点をおいた「地域連携薬局」、専門性の高い薬学管理を行う「専門医療機関連携薬局」、そのどちらでもない「その他の薬局」の3区分への分類となり、スギHDでは「認定の条件は厳しいが(認定を受けられるよう)対応を進めていく」(杉浦社長)としている。
また、デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進にも注力する。20年にDX戦略本部を新たに設置し、経営のデジタル化を加速することで生産性の改善や薬局機能の強化につなげたい考えだ。具体的には、上でも述べた“かかりつけ薬局”としての機能を強化するため、電子薬歴システムの刷新や、蓄積された調剤データの分析による服薬指導の最適化を推し進める。また、デジタルを用いた利便性向上の面では、スマートフォンから処方箋画像を送信できるようにするサービスや、ビデオ通話を用いたオンラインでの服薬指導などを導入する考えだ。
杉浦社長は、「コロナ禍や少子高齢化などによって、ヘルスケアを身近にかつ気軽に提供する存在として、DgSへの期待の高まりを感じている」と発表を締めくくり、地域の健康課題解決に今後も全力で取り組む姿勢を示した。