イオンは4月9日、2026年2月期を最終年度とする5カ年の中期経営計画を発表した。売上高に当たる営業収益は11兆円(21年2月期実績は8兆6039億円)、営業利益は3800億円(同1505億円)を目指す。
前中期経営計画では21年2月期に売上高10兆円、営業利益3400億円の達成を目標としていたが、新型コロナウイルスの感染拡大もあり、大きく未達となった。
新たな中期経営計画では、成長戦略として「デジタルシフトの加速と進化」「サプライチェーン発想での独自価値の創造」「新たな時代に対応したヘルス&ウエルネスの進化」「イオン生活圏の創造」「アジアシフトの更なる加速」の5つを柱とする。
デジタル売り上げについては20年2月期実績の700億円を26年2月期には1兆円、プライベートブランド(PB)商品の売上高は同じく1兆円を2兆円に引き上げる。また、海外営業利益の比率を20%から25%に高める。
設備投資に関しては、前中期経営計画の期間中に平均で全体の16%だったデジタル・物流への比率を35%に、海外店舗への投資は13%から25%に増やす。一方、国内での店舗投資は71%から40%に大きく減らす。
デジタルやPB、海外店舗の売り上げを増やすことによって、小売事業の収益力を高める。20年2月期の実績で連結営業利益に占める小売業事業の比率は35%、残りの65%は総合金融事業やディベロッパー事業など非小売事業で稼いでいたが、26年2月期は小売業が52%、非小売事業は48%と逆転を目指す。