独自の品揃えを追求し差異化「全員参加の経営」で改革進める=平和堂 夏原平和社長
来春、新PCが稼働
──今年5月1日、加盟する日本流通産業(ニチリウ、大阪府)の代表取締役社長に就任されました。共同仕入れ機構のトップとして今後、どのように采配を振るう考えですか。
夏原 ニチリウの目的は、マスメリットの最大化にあります。その役割を十分に発揮できるような活動を展開したいと考えています。
重要な事業のひとつはプライベートブランド(PB)「くらしモア」の開発です。たとえば、キムチを韓国から輸入するにしても、マスメリットを追求すれば仕入れコストを低減できるだけでなく、商品回転率も上げられ、つねに鮮度の高い商品を販売することができます。競争の激しい時代にあってPBの重要性は高まっており、今後も力を入れていきます。
また、現場での成功事例なども、加盟企業で共有しながら、全体として強い企業群になれるよう努力していきます。
──さて、平和堂の事業規模は、営業収益4000億円の大台も近づいてきました。次代をにらみ、インフラの整備にも着手されているようですね。
夏原 来年4月には、滋賀県犬上郡にある「多賀センター」(物流センター)敷地内に、新しい生鮮食品のPC(プロセスセンター)が稼働します。
従来、同彦根市の本部近くにあった施設が手狭になり、メーン機能を移設する格好です。新センターは敷地面積9300坪、2層構造で延べ床面積3565坪。取り扱いカテゴリーは精肉、鮮魚、塩干品で、これらを加工、パックすることで、店舗のローコストオペレーションに大きく寄与する計画です。なお、新PCの年間の生産数量は5000万パックで、旧施設に比べ2.5倍の処理能力を備えています。
同時に進めているのが、情報システムの再構築です。22億円を投じる大規模な計画で、従来のシステムを刷新します。まずは、来年の消費税引き上げまでには対応できるよう、急いでいるところです。
──最後に、経営課題について教えてください。
夏原 お話ししたとおり、当社では現在、さまざまな分野で取り組みや改革を進めています。要となるのは人材であり、いかに指導的立場のスタッフを育成するかが重要だと認識しています。すでに、各プロジェクトにはリーダーがいるため、その下位の層で新たな人材を育て、より大きな成果を出すのが課題です。「全員参加の経営」を掲げ、取り組みや改革を成功させたいと考えています。