独自の品揃えを追求し差異化「全員参加の経営」で改革進める=平和堂 夏原平和社長

聞き手:千田 直哉 (株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア編集局 局長)
構成:森本 守人 (サテライトスコープ代表)
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独自販促で客数が増加

──店舗政策について教えてください。

夏原 今期(14年2月期)は競争力ある店舗フォーマットの確立を急いでいるところです。現在、主力は売場面積450坪(1485平方メートル)で、立地、商圏を見ながら300坪(990平方メートル)、さらに550坪(1815平方メートル)のサイズも使い分けています。今後は、より大きな600坪、また飲食店やドラッグストアなどのテナントを取り入れたNSC(近隣型ショッピングセンター)も選択肢とし、強い店舗網を構築していきます。

 13年2月期には、「フレンドマート尼崎水堂店」(兵庫県尼崎市、店舗面積980平方メートル)、「フレンドマート大津京店」(滋賀県大津市、同2344平方メートル)、「フレンドマート伊勢田店」(京都府宇治市、同1981平方メートル)、NSCの「フレンドタウン瀬田川」(滋賀県大津市、同7939平方メートル)の4店舗を出店しました。今期は、滋賀県、京都府、大阪府といった近畿のほか、愛知県などへの出店も計画しています。

──競争力ある店舗網を着実に拡大していくということですね。

夏原 店舗というハードを強化する一方、ソフト面では従業員の自発性を育成するためのプログラムを4年前からスタートしています。「ピカピカ実現活動」で、店や売場をよくするアイデア、工夫を競い合う定例イベントです。年2回開催、参加者は店舗からの応援団を含め約1000人にもなり、大いに盛り上がります。今春の大会では、約3000グループの中から、地区予選を勝ち抜いた8組が発表を行いました。

──発表とはどのようなものですか。

夏原 今春の大会で第1位に輝いたのは「平和堂豊成店」(愛知県名古屋市)グロサリー部門のグループです。テーマは「お客様の笑顔を目標に!! 曜日販促での楽しい売場作りでご奉仕アップ!!」で、来店客数の増加を目標に置いた曜日販促の取り組みでした。自店の商圏を分析、独自販促の実施により、新たなニーズを引き出す内容で、客数に加え、売上高も大幅に伸ばしました。

 ほかにも、売場づくり、サービス、店舗の効率運営などテーマは多岐にわたります。このプログラムを続けることで、従業員が自ら考え、行動する風土を定着させたいと思います。

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聞き手

千田 直哉 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア 編集局 局長

東京都生まれ。1992年ダイヤモンド・フリードマン社(現:ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。『チェーンストアエイジ』誌編集記者、『ゼネラルマーチャンダイザー』誌副編集長、『ダイヤモンド ホームセンター』誌編集長を経て、2008年、『チェーンストアエイジ』誌編集長就任。2015年、『ダイヤモンド・ドラッグストア』誌編集長(兼任)就任。2016年、編集局局長就任(現任)。現在に至る。
※2015年4月、『チェーンストアエイジ』誌は『ダイヤモンド・チェーンストア』誌に誌名を変更。

構成

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

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