オイシックス 奥谷孝司氏が語る、顧客とつながり続けるためのデジタルシフトとは
顧客とつながることで見えてくる新たな戦略
従来マーケティング戦略を考えるにあたっては、「マーケティングの4P」つまりよい商品(Product)、よい値段(Price)、よいプロモーション(Promotion)、よい場所(Place)が重要であるといわれてきた。
それに対し、奥谷氏は「エンゲージメントの4P」を提唱する。エンゲージメントの4Pではまず、顧客がいるところ(Place)が重要になる。当たり前のように、顧客はオンラインとオフラインを行き来する。PCからネットストアをのぞいていることもあれば、同じ自宅内でもスマホアプリやSNS経由で商品に接しているかもしれないし、直接リアル店舗に足を運ぶこともあるだろう。デジタルを入口とし、こうした行動を連続的に把握する(つながり続ける)ことによって、本来の消費行動が明らかになってくる。これをベースに、商品開発や価格戦略、プロモーション戦略につなげていくべきだと奥谷氏は考えている。
そして、つながり続けるビジネスの究極の形がサブスクリプションモデルだと奥谷氏はいう。オイシックス・ラ・大地は、「おいしくて、安心・安全な野菜を定期的に届ける」ことを事業目的に、デジタル技術を用いたサブスクモデルを実践している。