オイシックス 奥谷孝司氏が語る、顧客とつながり続けるためのデジタルシフトとは

兵藤雄之
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コロナ禍で起こった新たな消費行動

 奥谷氏は次に、この4〜5月にインターネット上の検索ワードの傾向から、「ふるさと納税」「UberEATS・デリバリー」「クラウドファンディング」が、新しい消費行動として見えてきたという。

 「ふるさと納税」の需要はここ数年、年末年始に集中していたが、今年は本来旅行シーズンである4〜5月に外出自粛や巣ごもりを強いられたことから、本来なら旅先で消費していたものをふるさと納税の返礼品に求めたのではないかと分析している。実際、オイシックス・ラ・大地の生産者と話をしてみると、ふるさと納税の返礼品を提供しているところはコロナ禍でもしっかり売り上げをあげることができたという。

 「UberEATS・デリバリー」はコロナ禍で躍進したサービスの一つだが、ポイントは大手小売だけでなく、地元のレストランや鮮魚店などでも購入・依頼するというケースが少なくなかったという点だ。デジタルでつながることで実現可能になった消費行動のひとつといえるだろう。

 さらに奥谷氏は、「クラウドファンディング」も“新しい小売”になる、という見立てをしている。「ある知人のレストランでは、コロナ禍で売上が激減。家賃の支払いにも窮していたが、コロナ収束後に食事を提供することを「リターン」(お返しのこと)にクラウドファンディングを実施したところ数百万円を獲得、当座の家賃の支払いにあてることができた。これは顧客とデジタルでつながっていることから生まれた、新しい小売市場ではないか」と話した。

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