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アークランドがLIXILビバ買収でどう変わる?最新ホームセンター売上高ランキング

6月9日、ホームセンター業界9位のアークランドサカモト(新潟県)が同6位のLIXILビバを買収することを発表した。アークランドサカモトはLIXILビバにTOB(公開買い付け)をするなどし、完全子会社化する。これによって、寡占化のよりいっそう進むホームセンター業界の勢力はどのように変わるのだろうか?最新ランキングをベースに読み解いていきたい。

市場規模はわずか年平均0.18%の成長に止まる成熟市場

 ホームセンターの市場規模は『ダイヤモンド・ホームセンター』誌によれば対前年度0.3%増となる3兆8543億円(2018年度)。過去最高を記録したとはいえ、東日本大震災がありホームセンターの存在が大きく見直された2011年度の市場規模が3兆8048億円で、以来7年の間にわずか500億円弱しか広がっていない。年平均成長率(CAGR)は0.18%に過ぎず、極めて成熟した市場であることがわかる。

 その一方で、総店舗数だけが右肩上がりだ。11年度から8.4%も店数が増えている。成熟した市場で競争環境が激化すれば、自ずと既存店売上高はマイナス成長が常態化する。となると各社は、差別化と収益性確保が重要になり、独自商品の開発、仕入れ交渉力の強化を実現するために、規模を求めることが大事な戦略となる。

アークランド、ビバ連合は5位に!

 それを踏まえて、最新のホームセンター売上高ランキングを見ていきたい(下図)。2020年6月12日時点の最新決算に基づくランキングである。なお、営業収益(売上高+営業収入)ではなく、売上高のランキングであることを断っておきたい。

 今回、遂にカインズ(埼玉県)が首位の座をDCMホールディングス(東京都)から奪還した。カインズと2位DCMホールディングスは僅差だが、DCMホールディングスが対前年度比で約2%の減収となったことが響いた。DCMホールディングスはその誕生以来首位を守ってきたが、カインズにその座を明け渡すこととなった(なお、DCMホールディングスは営業収益ベースでもカインズに及ばない)。

 3位、4位も逆転した。M&A(合併・買収)戦略で波に乗るコーナン商事(大阪府)がコメリ(新潟県)をかわして3位に浮上したのだ。コーナン商事は20年2月期中に建デポを子会社化したほか、ドイトのホームセンター事業とリフォーム事業を承継して、大幅な増収を達成している。

 そして、この度、業界6位のLIXILビバを同10位のアークランドサカモトの買収が発表された。両社の売上高を単純合算すると3011億円となり、業界第5位に浮上する。

 ホームセンター業界は今後、5つの“3000億円超”クラブを中心に、さらなる再編が繰り広げられることになりそうだ。