アパレルだけじゃない! 実は「飲食」でも話題を集めるジュンの集客戦略
「ロペ」「ロペピクニック」「アダム エ ロペ」などを展開し、老舗アパレルとして知られるジュングループ(東京都/佐々木進社長)だが、ファッションだけでなく、フード分野の事業も好調だ。今年は銀座、御殿場で展開する和定食業態「GINZA SABOU」や新宿のスイーツ業態「BAKE&TEA」の新規店を控えているほか、資本業務提携先であるプレミアムスイーツブランド「BLANCA(ブランカ)」の麻布台ヒルズポップアップショップの運営にも携わり、好評につき9月末までの会期延長も決まった。いずれも広告・PRに予算をかけることなく着実な集客に成功している。その取り組みについて、執行役員・飲食事業部責任者の篠原聡氏に話を聞いた。
日本初の“伝説のカフェ”を生んだ店舗運営力

ミシュランガイドから4年連続で一つ星獲得など高い評価を得るスペイン料理の名店「アカ(acá)」でオーナーシェフを務める東鉄雄氏の監修で人気を博す「BLANCA」。麻布台ヒルズで開催するポップアップショップでは、人気が定着している看板商品のバスクチーズケーキをはじめ、ミニサイズのポキート、プリン、さらには「焦げを楽しむスイーツ」をコンセプトに新開発したクレープなどを販売。特にクレープは、オープンからわずか2カ月で販売数1万5000枚を突破し、連日行列ができるほどの人気商品となっている。
ブランカとジュングループがタッグを組んだのは2021年9月。ブランカの商品力とジュングループが強みとする店舗運営ノウハウを掛け合わせることで事業を展開しており、今回のポップアップショップにより、オンラインでしか購入できなかった人気商品を手に入れやすくなった。また、来店したインフルエンサーが自発的に投稿し、SNSで拡散されて“バズる”現象が発生。オンラインでの売上がさらに伸びる相乗効果も見られている。
実はジュングループが強みとする店舗運営ノウハウとは、アパレル販売に限らない。その代表例が、1972年に開店した日本初のオープンカフェ「カフェ ド ロペ」だ。パリのカフェを再現し、カフェオレやペリエを日本で初めて提供した“伝説のカフェ”と呼ばれ、名前を変えながら半世紀以上の実績を築いている。ファッションブランド「サロン アダム エ ロペ」から派生した飲食店舗も出店。4店舗を展開していた2020年に篠原氏が責任者として飲食事業部を立ち上げ、2025年中に8店舗となる予定だ。「ファッションだけでなく、フードやフィットネスといった領域でもカルチャーを発信している」と篠原氏。さらなる事業拡大を目指していることを明かす。







リアル店舗に求められる、”わざわざ出かける価値づくり”の手法とは
