ECメーンのチーズケーキ専門店「Mr. CHEESECAKE」、実店舗拡大のワケとは
チーズケーキのオンライン販売を主力事業とするMr. CHEESECAKE(東京都/田村浩二代表取締役CCO)は2025年4月、実店舗3号店となる「Mr. CHEESECAKE GINZA SIX店」(東京都中央区)をオープンした。24年9月に東京駅内に1号店をオープンしてから、短期間で実店舗を3店舗まで広げている。ECを主軸とする同社が、いま実店舗での商品販売に力を入れる理由とは。

念願の実店舗出店、コロナで断念した過去も
チーズケーキを中心とした商品の製造とオンライン販売を手掛けるMr. CHEESECAKEが、実店舗の展開に乗り出している。24年9月、ブランドとして初の常設ストアとなる「Mr. CHEESECAKE グランスタ東京店」(東京都千代田区)を開業。さらに今年に入ってからは、25年2月に2号店となる「羽田空港店」(東京都大田区)、同年4月に旗艦店の位置づけで3号店「GINZA SIX店」をオープンし、約半年の間に実店舗網を3店舗にまで拡大した。
Mr. CHEESECAKEは、現在同社の代表取締役CCOを務める田村浩二氏が18年4月に創業したブランドだ。数々の有名フレンチレストランをシェフとして渡り歩いた田村氏が、その経験の中で培った感性を生かした「世界へ誇るトーキョーチーズケーキ」をめざし、立ち上げた。

商品ラインアップでは、看板商品となる「Mr. CHEESECAKE Classic」(Bag3780円/Box4644円:以下、税込)のほか、ラズベリーを使用した「Raspberry Lime」(Bag3996円/Box4752円)、アールグレイの香りを楽しめる「Caramel Earl Grey」(Bag3996円/Box4752円)、福岡県の八女抹茶を使用した「Fine Green Tea」(Bag3996円/Box4752円)を定番商品として販売。いずれのチーズケーキも、冷凍・半解凍・全解凍のそれぞれで味わいが変化するよう設計されている。
さらに、現在ではティラミスやロールケーキなど、チーズケーキ以外にもラインアップを広げている。
創業時からECを主な販売チャネルとしていたMr. CHEESECAKEだが、21年に全国をめぐるポップアップストアイベント「Mr. CHEESECAKE YOUR CITY」を開催するなど、リアルでの商品販売にも取り組んできた。直近では、23年11月に麻布台ヒルズで10カ月の期間限定ストアをオープンしたほか、24年3月には香港に期間限定ストアを出店し、海外進出も果たしている。
今回の実店舗出店には、これらのリアル販売の経験も生かされている。
実店舗の出店について、田村氏は「創業当初から実店舗をつくりたいという思いはあったが、ECがすごく伸びていたため手が回らなかった。さらに、20年からコロナ禍に入ったことで結果的に断念していた。コロナ禍が明けたこのタイミングで、当初思い描いていた実店舗の出店に改めて取り組んだ」と説明する。