アパレルだけじゃない! 実は「飲食」でも話題を集めるジュンの集客戦略
仕入先からは「ジュンって、あのファッションブランドの?」

ジュングループの飲食事業部で直営する店舗の業態は、和食、肉料理、スイーツとバラエティ豊か。「ファッションブランドが片手間にやっているわけではなく、本気で取り組んでいる」と篠原氏。ジュングループでは「VISION FFF」として、ファッション(Fashion)、フード(Food)、フィットネス(Fitness)の3つのFをプロデュース領域とする方針を掲げている。
「表立ってヘルシーを売りにはしていない。しかし例えば和食なら、古き良き調理法や食材を採用し、出汁のうま味で塩分を抑えたりしている。スイーツ店にはアフタヌーンティーやビュッフェのコースもあり、ボリュームの面でも満足していただけるが、糖質がほぼゼロの甘味料を使うなど、ギルトフリーな食を提供している。健康的でありながら、食への欲求もしっかり満たせる。心豊かでヘルシー、いわゆるウェルビーイングという言葉に収斂されるかもしれない。それが全体に通じる共有点で、ジュングループが提供する意味であり価値だと思う」(篠原氏)
ジュングループでは「YOU ARE CULTURE.」というビジョンを掲げている。篠原氏は「CULTUREは“耕す”というラテン語に由来し、心を耕すという意図が語源。我々は食を通して、心を耕し、人として楽しく、美しく、健康的で豊かで、持続可能な人間社会を築いていく」と解説する。
コメについては、直営の全ての店舗で群馬県川場村産のブランド米「雪ほたか」を使用している。米価が高騰する中でも銀座の「SALON GINZA SABOU」や御殿場の「SALON GINZA SABOU こめ食堂」ではごはんのおかわりが自由で、テレビの報道・情報番組でも取り上げられた。生産者との直接契約によって、コメ不足の中でも安定的な提供が可能になっているという。

このほかグループ傘下には、1979年設立、山梨県甲州市勝沼の直営ワイナリー「シャトージュン」がある。100%国産のブドウを使い醸造する日本ワインを、年間約8万本製造している。2019年のG20大阪サミットで提供されたほか、日本ワイナリーアワードにて6年連続で四つ星を受賞するなど、高く評価されている。
驚くことに、飲食事業部の取引先からは「ジュンって、あのファッションブランドの?」と、長く付き合っていく中で聞かれることがしばしばあるそうだ。







リアル店舗に求められる、”わざわざ出かける価値づくり”の手法とは
