シニア女性に人気通販ハルメク リアル店舗好調、秘策はインナーの試着”?
リアル店舗ならではの購買体験提供
ほかにも、シニア女性が歩きやすいように中敷きからこだわってつくった靴も、ブーツやスニーカーなど数種類を販売する。「一生自分の足で歩けるように」(勝谷部長)という思いのもと、店舗に設置した足圧測定器も活用しながら、足に適した靴選びを勧めているという。店頭では靴を紹介する大きなポスターを設置し、機能性やデザイン性を訴求していた。
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最もアイテム数が多いアパレルは、店舗限定販売の商品も用意しており、通販やECサイトとは違った購買体験を提供している。
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新規顧客獲得へ、リアル店舗の出店加速
松坂屋上野店の出店で、「ハルメク おみせ」の店舗数は靴の専門店を含め、全国で18店舗になった。とくにコロナ禍以降は出店を加速しており、2024年度は7店舗をオープン。いずれも各地の百貨店に出店するケースが大半で、百貨店のシニア向けフロアでは売上が常に上位だという。
とくに百貨店は利用者の年齢層が高い傾向にあり、ハルメクの顧客層とも一致することから、百貨店側から出店の依頼もあるなど期待値も高い。アパレルに靴、インナー、化粧品までワンセットで買物ができるのも特徴といえる。今後もさらなる出店を予定しており、全国で30~40店舗まで拡大することをめざしている。
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リアル店舗を増やしてハルメクの認知度を高め、国内の雑誌販売部数が1位の雑誌「ハルメク」から知ってもらうだけではなく、読者や会員以外の消費者との接点をつくり、新規顧客の獲得につなげたい考えだ。既存の読者や会員にも、試着や接客を通じて、新たな購買体験も提供できる。
勝谷部長は「松坂屋上野店への出店で、都内では新宿や池袋に続いて中心部に出店することができた。お客さまの声をしっかり聞いて、悩みに対応する商品を作っているハルメクについてより多くの人に知ってもらい、フロアで売上ナンバーワンをめざしていきたい」と語った。