ヤマトがCVCを通じて越境ファッションECに出資するねらい
成長性を見込み追加出資を決定
ヤマトホールディングス側も、シックスティーパーセントとのパートナーシップに対し、自社のリソースだけでは得られないメリットを感じている。
「アジア圏内を中心としたアパレル業界がどういう動きをしているのか、物流の仕組みがどうなっているのかなど、リアルな現状について情報交換をさせていただいている。私たちも物流面での情報やサポートを提供し、一緒に課題解決を図りながら同社の成長を支援できている。お互いにwin-winな形でパートナーシップを構築できていると手ごたえを感じている」(森氏)
KIFでは、シックスティーパーセントのZ世代に特化したマーケティング力と企業成長力を評価し、2024年2月には追加出資を決定した。シックスティーパーセント側では、この追加出資によって獲得した資金を、「採用やマーケティングの強化にあてていく」(真部氏)ことで、さらなる事業拡大を図っていく意向だ。
小売・流通の領域においても、ヤマトホールディングスとシックスティーパーセントのように、CVCを通じて新たなイノベーションの種を育てていく試みは増えてくるだろう。大企業とスタートアップとの“異色タッグ”によって、私たちの想像を超えた顧客体験が生まれることを期待したい。