全5ブランド体制に!なぜマツキヨココカラはPB化粧品の開発を加速するのか?
「KNOWLEDGE」はマンダムと共同開発
一方の「KNOWLEDGE」はマンダムとの共同開発だ。4月1日より、男性の肌特性に着目したスキンケア5品、ヘアケア6品のトータル11品のラインアップで展開する。
マツキヨココカラ専務取締役の松本貴志氏は開発のねらいについて、「男性肌や頭皮の研究や皮膚浸透の先端技術、男性化粧品におけるリーディングカンパニーであるマンダムさまといっしょに、KNOWLEDGEをきっかけに男性の美容行動を習慣化し、男性が美しくなる、未来の常識をつくっていきたいと考えた」と語る。
「KNOWLEDGE」は「ずっとチャレンジしたいと考えていた待望の男性用化粧品のブランド」(開発を担当したMCCマネジメント 商品開発部 商品開発課主事の早川龍二氏)という。
コロナ禍ではスキンケアが男性化粧品市場をけん引。日常に戻ったいまも、男性からのスキンケアに対する意識は高い。しかし「SNS中心にスキンケア情報があふれているなか、自分に合ったものがわからない、何を使ったらいいのかわからない、という悩みがある」(早川氏)。
そこで、男性にとっての正しいスキンケアの知識を積み上げ、学び、自らの答えとなってくれるようなものをめざして「KNOWLEDGE」と名付けた。グループ全店での実績から、ヘアケア・フェイスケアへの投資額、投資比率ともに高い25~39歳の男性をメーンターゲットとして設定した。
男性の肌には、女性と比べて「皮脂量が多い」「水分量が少ない」「部位差が大きい」といった特徴がある。そのため表皮のバリア機能が低下し、うるおいが逃げ、肌荒れを起こしやすい。
「KNOWLEDGE」では、マンダム独自の最先端の浸透技術「セラミドバイセル」を搭載した商品設計とした。この「セラミドバイセル」は美容保湿成分をたっぷり抱え込んだナノサイズ(毛穴の約1万分の1)の超微細なカプセル。「角層奥まで浸透し、このカプセルが通ることでうるおいの通り道ができ、後から使うスキンケアの肌なじみもよくなる」(マンダム ブランドマーケティング一部・市川雄一氏)という。
「nake」と「KNOWLEDGE」の発表の場で、マツキヨココカラの広報担当者はこう口にした。
「(独立型ブランドの開発は)チャレンジングな取り組みだが、われわれはここにこだわり続けていく」
マツキヨココカラの化粧品カテゴリーの売上はドラッグストア業界トップ。同カテゴリーの粗利益率も大手DgSの中でトップだ。「nake」や「KNOWLEDGE」にも見られるこだわりは、同社の化粧品カテゴリーにおける強さの象徴でもある。