オーケー二宮涼太郎社長が語る 関西進出控える2024年への想い
今、食品スーパー業界で注目を集める代表企業の1つであるオーケー(神奈川県)。2023年には、10月に東京都心の高級店街に旗艦店「銀座店」(東京都中央区)を出店して存在感を高め、24年にはいよいよ関西エリアへの進出も予定する。同社の二宮涼太郎社長に1年の振り返りと、新年への想いを聞いた。(※23年11月14日に開業した「オーケー立川髙島屋S.C.店」の取材時の二宮社長の話を抄録したものです)
客数、出店数増で
手応えのある1年に
──2023年はオーケーにとってどんな1年になりましたか。
二宮 23年は食品スーパー業界全体で売上が高水準で推移しました。オーケーも同様で、商品値上げにより客単価が上昇していることはもちろん、客数も順調に伸びています。
オーケーが目標とする年間10店舗以上の出店も、23年度は達成できそうであり、その点でもその手応えを感じた1年でした。とりわけ「銀座店」は、銀座の一等地への出店であり、新しい品揃えにも挑戦しました。多くのメディアでとり上げていただいたことで、全国の方々にオーケーを知ってもらえるきっかけにもなりました。
──「銀座店」の開業後の動向はいかがですか。
二宮 銀座というエリアの人通りの良さもあって、売上は順調に伸びています。需要を見込み、品揃えを充実させたインバウンド向け商品や業務用商品もご購入いただけています。加えて、近隣のビジネスパーソンのランチ需要が想定以上にあり、また仕事帰りの買物の場としての利用も好調です。
銀座店では、周辺の百貨店などの魅力ある商品から学びながら、既存店とは異なる「銀座店限定商品」も多数、用意しました。銀座のようなエリアでは新しい商品もすぐに陳腐化してしまうので、どんどん商品をブラッシュアップしていきたいと考えています。
開業時に投入した「銀座店限定商品」のなかには、メーンの鮭を厚切りにした「THE鮭弁当」などすでに人気を得ている商品もあります。そうした商品は期間限定で、全店で販売するなどの試みも始めており、売れ行きを見ながら既存店への水平展開を図っていきます。
髙島屋の施設に連続出店
「高品質・EDLP」に注力
──23年11月には、髙島屋(大阪府)の連結子会社である東神開発(東京都)がリニューアルオープンした「立川髙島屋S.C.」の地下1階に出店するなど、注目店の開業が続いています。
二宮 当社はこれまでも、同じく立川市内にある「オーケー立川若葉町店」など、東神開発さまが運営する商業施設へ出店してきた経緯があり、その流れで今回も出店の打診がありました。24年春には「柏髙島屋ステーションモール」(千葉県柏市)への出店も決まっています。
これは「銀座店」も同様なのですが、「地域一番の安値」を掲げる価格政策や品揃え、取扱品目数、売場レイアウトなど基本的な店づくりの方針は変えません。一方で、髙島屋さんの名前を冠した館に入るのにふさわしい店となるように、当社の経営方針「高品質・Everyday Low Price」のなかでも「高品質」の部分に力を注いでいきたいと考えています。
今後もお声掛けいただければ、こうした商業施設にも積極的に出店していきたい方針です。
──「銀座店」や「立川髙島屋S.C.店」を含めて、処方せんを受け付ける調剤薬局の導入店舗が増えています。
二宮 調剤薬局の導入によって、お客さまにより利便性を提供し、来店動機を増やしたいと考えています。21年からは直営で調剤薬局の運営ができるようになり、自前だからこそ薬局を店に併設させたり、食品売場の中に設置したりと柔軟性をもって展開できます。
出店地域で調剤薬局の認知が高まれば、処方箋の持ち込みが増える傾向にあり、大きな利用を獲得する店も生まれてきています。