リーボック販売権取得でブランド事業加速のロコンド マッキンゼー出身社長の次の一手は?
ブランド事業で王者・ZOZOTOWNとの差別化を打ち出す
一方、ロコンドをはじめとする自社EC事業のほうは、ここ数年では踊り場を迎えている。コロナ禍を機に消費者のECシフトが進んだことで取扱高が拡大したが、その後はD2C需要が一段落したこともあり、自社ECモールの取扱高は横ばいが続く。
加えて、ロコンドにとって大きな脅威となる出来事が2019年に起こった。国内最大のファッションECモール「ZOZOTOWN」を運営するZOZOの、Zホールディングスによる買収だ。田中氏も危機感を隠さない。
「ZOZOTOWNの存在がますます大きくなり、『ウィナー・テイクス・オール』(勝者総取り)となりかねない状況にある。『ECはZOZOTOWNと自社サイトがあればよい』と考える企業も増えてきている。ロコンドもファッションECモールとして企業の方々に想起してもらえるよう、これまで以上に存在感を示していかなければならない」
これまでロコンドは、BtoBのプラットフォーム事業を通じて多くのブランドとの接点を持つことによって、品ぞろえの強化を図ってきた。これからは、ロコンドでしか買えないブランドや商品の品ぞろえをさらに強化し、ZOZOTOWNとの差別化を図ることが求められるだろう。冒頭で紹介したブランド事業は、そのための一手といえる。